新車のときは黒く引き締まっていたバンパーやドアミラー下のプラスチックパーツ。
それがいつの間にか白っぽくなり、「あれ、こんなに色あせていたかな?」と驚いた経験はありませんか。
車のプラスチックパーツ(未塗装樹脂パーツ)は紫外線や雨風の影響を受けやすく、時間の経過とともに素材そのものが劣化して白く変色していきます。
ボディがきれいな状態でも、未塗装樹脂パーツが白ボケしているだけで、車全体が古く見えたり手入れしていない印象になってしまうことも少なくありません。
こうした劣化対策として注目されているのが、プラスチックコーティング(未塗装樹脂専用コーティング)です。
この記事では、樹脂が白くなる原因から対策方法、プラスチックコーティングの種類や選び方まで、わかりやすく解説します。
プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツが劣化する原因とは?

プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツの見た目の変化は、汚れではなく「素材そのものの変化」で起こります。主に 太陽・空気・水 の影響を受けながら、少しずつ傷んでいきます。ここでは代表的な3つの劣化パターンを紹介します。

▲白ボケした未塗装樹脂パーツ
パーツの白ボケ|直射日光や紫外線によるダメージ
未塗装樹脂パーツが白っぽく見えてくるのは、太陽の光によって表面が少しずつ傷んでいくためです。
強い日差しを長時間浴び続けると、黒さを保っている成分が壊れ、表面が細かくザラついた状態になります。すると光がきれいに反射しなくなり、本来の黒ではなく灰色や白っぽく見えるようになります。
雨の日には黒く見えるのに、乾くとまた白く戻ることがありますが、これは水が表面を一時的になめらかに見せているだけです。元に戻ったわけではありません。
つまり白ボケは汚れではなく、「日差しによるダメージが進んでいる」というサインです。
色あせや艶の消失|経年劣化による素材の風化
色あせや艶がなくなるのは、時間とともに樹脂が乾いてしまうからです。
空気に触れ続けることで、素材の中のしっとり感を保つ成分が少しずつ失われていきます。その結果、黒から灰色っぽい見た目へ変わっていきます。触るとカサカサしていたり、場所によって色が違ったり、全体がくすんで見える場合はこの状態です。
色あせは色が落ちたのではなく、素材が乾いて質感を失っている状態です。
雨ジミ・水垢の固着|親水性の低下による汚れの沈着
雨ジミや水垢が落ちにくくなるのは、樹脂が傷んで水が残りやすくなるからです。
新しい樹脂パーツはある程度水を弾きますが、使い続けるうちに表面の状態が変わり、水がスーッと流れず部分的に残るようになります。残った水が乾くと、中に含まれていたミネラル分や排気ガスの汚れがそのまま貼りつき、雨ジミや水垢として固着します。
洗車しても同じ場所に白い跡が繰り返し出るのは、汚れが多いのではなく、表面が変化しているサインです。とくに洗車回数が少ない車や、濡れたまま放置されやすい環境では進みやすくなります。
そのため、雨のあとや洗車後は水滴を残さないことが大切です。柔らかいマイクロファイバークロスなどで優しく拭き取る習慣をつけるだけでも、固着の進行を抑えやすくなります。
プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツにはプラスチックコーティングがおすすめ

前章でお伝えしたように、車のプラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツは紫外線や風雨の影響を受け続けることで、白ボケや色あせが起こります。こうした劣化は一度進むと元に戻しにくいため、早めの対策が重要になります。そこで有効なのがプラスチックコーティングです。
プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツは、塗装面と違い、磨いて回復させることが難しく、見た目を戻すには部品交換が必要になるケースもあります。しかし交換は作業費も含めて費用がかさみやすく、劣化してから対応すると負担が大きくなりがちです。
そこで、新車時や状態が良いうちにプラスチックコーティングを施工しておくことで、表面に保護膜が形成され、紫外線や汚れの影響を受けにくくなります。その結果、白ボケや色あせの進行を抑え、樹脂本来の黒さや質感を長く保ちやすくなります。
では、このプラスチックコーティングによって具体的にどのようなメリットが得られるのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
プラスチックコーティングのメリット

プラスチックコーティングによって得られる主なメリットを4つ解説します。
紫外線や熱による白ボケ・色あせを防止できる
プラスチックコーティングを施工すると、プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツの白ボケや色あせを防ぎやすくなります。
コーティング剤には紫外線を受け止めて分解する成分(UV吸収剤や光安定剤)が含まれており、紫外線が直接樹脂に当たるのを防げるためです。
イメージとしては、人の肌に日焼け止めを塗るのと同じで、素材そのものが傷みにくくなります。さらに直射日光による熱ダメージも和らぐため、乾燥やひび割れも起こりにくくなります。
その結果、白ボケや色あせの進行を抑え、樹脂の見た目を長くきれいな状態に保つことができます。
黒艶が復活し新車のような見た目を再現できる
プラスチックコーティングを施工すると、白ボケが抑えられ、未塗装樹脂パーツの黒艶がよみがえります。
劣化した樹脂の表面には、目に見えないほどの細かな凹凸が生じています。この凹凸が光を乱反射させることで、白っぽくくすんで見えてしまいます。コーティング剤はその凹凸に入り込み、表面をなめらかに整えるため、光の反射がそろい黒さがはっきり見えるようになります。さらに被膜のわずかな光沢によって、質感も引き締まって見えます。
ただし、劣化が深く進んでいる場合は完全に元の状態まで戻らないこともあります。あくまで素材を塗り替えるのではなく、見え方を整える仕組みのため、仕上がりには個体差があります。
それでも多くの場合、くすみが目立ちにくくなり、新車のような自然な艶感に近づきます。
汚れや水ジミが付きにくくなり、メンテナンスが楽になる
プラスチックコーティングを施工すると、未塗装樹脂パーツに汚れや水ジミが付きにくくなり、日頃のお手入れが楽になります。
コーティングによって表面に滑らかな被膜ができ、空気中のホコリや排気ガスの油分、雨水などが素材に固着せず被膜の上に留まるため、洗車時も軽く水をかけるだけで落ちやすくなります。さらに被膜には撥水性や防汚性があり、水が残りにくくなることで水ジミの原因となる乾燥跡もできにくくなります。
その結果、拭き上げの手間や洗車頻度を抑えられ、日常のメンテナンスがぐっと楽になります。
樹脂パーツの寿命を延ばし、再塗装・交換コストを抑えられる
プラスチックコーティングを施工すると、未塗装樹脂パーツの劣化を遅らせ、将来的な再塗装や部品交換の出費を抑えやすくなります。
樹脂は紫外線や熱の影響で徐々に硬化し、白ボケだけでなく、ひび割れや変形といったトラブルへ進行します。この状態まで進むと再塗装では対応できず、部品交換が必要になります。
例えば未塗装バンパーやフェンダーは、部品代に加えて脱着工賃もかかるため、数万円単位の費用になることも珍しくありません。
あらかじめコーティングで保護しておくことで劣化の進行を穏やかにでき、結果として高額な修理が必要になる可能性を低くすることができます。
プラスチックコーティングが施工できるお店

プラスチックコーティングは、多くの専門店やカー用品店で施工できます。ただし、店舗ごとに取り扱うメニューや対応範囲、価格帯などに違いがあるため、事前に特徴を知っておくことが重要です。ここでは代表的な3つの例をご紹介します。
コーティング専門店
コーティング専門店では、プラスチックや未塗装樹脂パーツに特化した施工が可能です。
仕上がりや耐久性にこだわりたい方に特におすすめです。
施工メニューや料金は店舗ごとに異なるため、依頼前に確認しておくと安心です。
当記事を編集しているカービューティーアイアイシーでは、施工料金は39,600円~となります。
カーコーティングおすすめ専門店9選と後悔しない8つのチェック事項
カー用品店(オートバックスなど)
全国展開のカー用品店でも、プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツ向けのコーティングを受けられる店舗があります。
たとえばオートバックス東戸塚店では「樹脂フェンダーコート」という専用メニューを用意しています。価格は施工範囲や車種によって異なり、標準的な車で税込8,800円〜、大型SUVや輸入車では17,600円を超える場合もあります。
ただし、専用メニューの有無や内容、料金は店舗ごとに異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
キーパーコーティング
キーパーコーティングの直営店や取扱店では、ボディだけでなく未塗装樹脂パーツ用のコーティングも施工可能です。
品質や保証にこだわる方に特におすすめで、施工内容や料金は店舗ごとに異なるため、来店前に確認しておくと安心です。
価格は施工範囲に応じて変わり、全体施工:9,270円、部分施工:6,280円~、SUVなど樹脂面積が広い車両向け:12,560円のメニューが用意されています。
プラスチックコーティングはDIY施工も可能

プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツ専用のコーティング剤には、自分で施工できるDIY向け商品も多く販売されています。新車用に保護目的で使えるものや、すでに白ボケしてしまったパーツの補修を目的としたタイプもあります。価格は手頃なもので1,000~2,000円程度、耐久性が高い製品は5,000円前後のものもあります。
施工前には、汚れや油分を落とす下地処理が必要で、特に劣化が進んでいる場合はムラが出やすくなるため注意が必要です。不安な場合は、まず目立たない箇所でテスト施工を行い、仕上がりを確認してから本格的に塗り始めると安心です。
おすすめのプラスチックコーティング剤
前述のとおり、プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツ専用のコーティング剤にはDIY向けの商品も多く、専門的な知識がなくても比較的手軽に施工できます。ここでは、その中でも特におすすめのアイテムを3つご紹介します。
SCHILD® プラスチックコーティング剤10ml

SCHILD® プラスチックコーティング剤10mlは、コーティング専門店・カービューティーアイアイシーが発売する未塗装樹脂パーツ専用の完全硬化型コーティング剤です。施工後は撥水性のある被膜が形成され、汚れや紫外線による劣化を抑えながら、黒々とした艶と風合いを長期間キープします。
新車の保護目的にはもちろん、白ボケが目立ち始めたパーツの補修にも対応可能です。車内外を問わず使用でき、付属のスポンジで塗り込み、拭き上げるだけの簡単な工程で初めての方でも安心して扱えます。プロの現場で使われる品質を、自宅でも手軽に体感できる点が魅力です。
・SCHILD® プラスチックコーティング剤10mlの詳細はこちら
LOOX・ブラック ブライト

画像参照元:KURE(呉工業) LOOX(ルックス) ブラック ブライト 10ml 耐候性黒ツヤ復元コート剤 1198|Amazon
白化した未塗装樹脂に深い艶を与えたい方に適したのが、LOOXの「ブラック ブライト」です。高輝度ケイ素系化合物が劣化によって生じた微細な隙間に浸透し、表面密度を補うことで自然な黒艶を再現します。さらに、UV吸収剤を豊富に配合し、紫外線や熱による色あせを防止します。
撥水性も高く、雨や水による劣化を抑えながら、1年間の持続効果が期待できます。透明タイプの液剤のため、黒以外の未塗装樹脂にも使用可能です。
Pellucid・未塗装樹脂専用コーティング剤

画像参照元:ペルシード(Pellucid) 洗車ケミカル 未塗装樹脂専用コーティング剤 ガラスコーティング PCD-25 バンパー&モール用 黒樹脂復活 1年耐久|Amazon
黒樹脂の復活と保護を両立したい方に向けて開発されたのが、ペルシードの未塗装樹脂専用コーティング剤です。深みのある黒艶と高い撥水性能を両立したガラス系被膜を形成し、白ボケや色あせからパーツをしっかり守ります。高耐久タイプで、効果は約1年間持続。1台分の施工に適した20ml入りで、専用スポンジとクロスも同梱されています。
メーカーは洗車用品で実績のあるペルシード社で、コムテック社のグループ企業として信頼性も高く、初めて使う方でも安心して選べる製品です。
・Pellucid・未塗装樹脂専用コーティング剤の詳細はこちら
プラスチックコーティングに関するよくある質問
車のプラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツ専用コーティングについて、ここまで施工のメリットやおすすめの商品を紹介してきましたが、実際に使ってみるとなると、まだ不安や疑問が残る方もいるかもしれません。ここでは、よく寄せられる4つの質問に対して、答えていきます。
カーコーティング剤をプラスチックの箇所に塗っても大丈夫?
ボディ用のカーコーティング剤はプラスチックに塗るのはやめましょう。これらは主にクリア塗装層に定着するよう設計されており、樹脂には浸透しにくく、被膜が形成されず意味がない場合があります。
さらに、白ボケ部分だとムラになりやすく、磨き直しもできず手の打ちようがなくなることもあるため注意が必要です。ただし、パッケージに「樹脂対応」と明記されている製品であれば、安全に使用できます。
すでに白ボケした部分の直し方は?
ネット上ではメラミンスポンジで軽く表面を磨いた後、樹脂専用の復活剤やコーティング剤でケアする方法が紹介されています。実際、ソフト99の「モドシ隊」はシリコンオフで油分除去→スポンジ塗布→クロス拭き上げだけで白ボケが目立たなくなると高評価です。
ただし、この方法は一時的で、再び白くなることもあるため、完全な直しではなく「一時的な改善方法」として捉えるのがよいでしょう。
樹脂部分のコーティング料金は?
専門店では、ボディコーティングに含まれる場合もありますが、単品依頼の場合、施工箇所と面積によって異なります。一般的には1〜2万円ほどが相場となり、店舗によって価格差があります。DIY向け商品の場合、1,000〜2,000円の手頃なものが多く出回っており、耐久性重視なら5,000円前後の商品も選べます。
用途や予算に応じて、専門店による施工と市販品による自分での施工、どちらも検討するとよいでしょう。
100円ショップに樹脂専用コーティング剤は売ってる?
2025年7月現在、100円ショップに車の未塗装樹脂専用コーティング剤が販売されている事実は確認できませんでした。靴用や別素材向けの商品を応用して使用している人もいますが、メーカー推奨ではなく、あくまで自己責任となるため注意が必要です。
試す際は、まず目立たない箇所でテスト施工し、素材への影響やムラの有無を確認してから使うことをおすすめします。
車のプラスチック・未塗装樹脂パーツは専用コーティングで保護しよう

車のプラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツの白ボケや色あせを防ぐには、プラスチック専用コーティングの活用がおすすめです。
施工することで劣化を抑えながら、艶やかで引き締まった外観を保つことができます。
コーティングを依頼できる主な店舗には、専門店のほか、オートバックスなどのカー用品店、キーパーコーティングの直営店・取扱店などがあり、対応範囲や価格は店舗ごとに異なります。
できるだけ費用を抑えたい場合は、市販の樹脂専用コーティング剤を使ってDIYで施工する方法も有効です。
プラスチックパーツ・未塗装樹脂パーツをきれいに維持することで、愛車全体を長く美しい状態で維持していきましょう。
監修者
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
カーディテーリング業界歴22年。中学時代よりカーコーティング・カーフィルム施工に従事し、これまでにディーラー下請けとしてポルシェ、ランドローバー、トヨタなどの施工実績を持つ。
現在は、カーコーティング・セラミックコーティング・プロテクションフィルム(PPF)・カーフィルムの専門店を運営。
2キーパーコーティング技術検定1級/有機溶剤作業主任者 ほか資格保有。








































































