車のコーティングには沢山の種類があってどれを選べばよいか分からない!というようなご意見を頂くことが多いのが現状です。
車のコーティングは種類によって効果効能や寿命、特徴、費用が全く異なります。当記事では、
① コーティングの種類が多すぎてよく分からない!
② 自分の車に適したコーティングの種類を知りたい!
③ ディーラー、量販店、専門店の違いがいまいち分からない!
といったお悩みを解決するべく、コーティングプロショップの著者が詳しく解説していきますので、コーティング選びの参考にして頂ければ幸いです。
運営元:神奈川県ガラスコーティング専門店
車のコーティングの種類を比較する時に重要な2つのポイント
車のコーティングは大きく2つのポイント「コーティングの6つの素材」と「4つの水弾き」によって特徴や効果効能が異なります。
まずは、6つの種類(材質)について解説していきます。

著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。
目次
1章 車コーティングの種類
1-1 油脂系コーティング(ワックス)
1-2 樹脂系コーティング(ポリマー)
1-3 ガラス系コーティング(ポリマー×ガラス繊維)
1-4 ガラスコーティング(硬化型ガラス繊維)
1-5 セラミックコーティング
1-6 自己修復コーティング
2章 コーティングで得られる4つの水弾き
2-1 撥水コーティング
2-2 親水コーティング
2-3 疎水コーティング
2-4 滑水コーティング
3章 コーティング施工店の選び方
3-1 コーティング専門店
3-2 量販店コーティング
3-3 ディーラーコーティング
4章 コーティングの種類別ずばりおすすめはこれ!
4-1 クォーツガラスコーティング(親水ガラスタイプ)
4-2 エシュロンNANO-FIL(滑水ガラスタイプ)
4-3 セラミックシールド(親水セラミックタイプ)
4-4 CeramicPro9H(疎水セラミックタイプ)
4-5 ファインラボヒールプラス(疎水セラミック(自己修復)タイプ)
車のコーティングは施工する種類(材質)によって効果効能や耐久性、施工価格は異なります。 種類の違いや特徴を理解した上でコーティング施工しなければ、思ったような効果を得ることは出来ません。まずは、種類による特徴と価格を見ていきましょう。
油脂系コーティング(固形ワックス) | |
特徴 | ・誰でも簡単に施工でき撥水効果が得られる ・熱に弱いため雨で流れ落ちてしまう |
価格 | 2~3千円 |
持続期間 | 2週間 |
樹脂系コーティング(ポリマーコーティング) | |
主な製品 | ピュアキーパー |
特徴 | ・ワックスより持続性が長持ち ・有機系汚れ(花粉や黄砂、排気ガス)などの油汚れが付着しやすい |
価格 | 6千円 |
持続期間 | 半年~1年 |
ガラス系コーティング | |
主な製品 | ・クリスタルキーパー ・ディーラーコーティング ・GZOXリアルガラスコーティング |
特徴 | ・樹脂系コーティングより持続性が長持ち ・ポリマーコーティングより防汚性能に優れる |
価格 | 2万~5万 |
持続期間 | 2年 |
ガラスコーティング | |
主な製品 | ・クォーツガラスコーティング ・エシュロンコーティング ・ハイモースコーティング |
特徴 | ・ガラス被膜を形成するためガラス系より持続性が高い ・汚れが付着しづらくお手入れが楽 ・コーティング被膜を形成することで光沢が向上する |
価格 | 5万~10万 |
持続期間 | 3年 |
セラミックコーティング | |
主な製品 | ・CeramicPro9Hコーティング ・セラシャインコーティング |
特徴 | ・被膜硬度9Hの硬い被膜を形成するため小傷が付きづらい ・耐薬品性能に優れ酸性雨や鳥フン、虫の死骸から塗装を守る |
価格 | 10万~20万 |
持続期間 | 5年 |
自己修復コーティング | |
主な製品 | ・ファインラボヒールプラス ・ファインラボヒールライト |
特徴 | ・塗装面に付着した小傷が自己修復する全く新しいコーティング |
価格 | 30万 |
持続期間 | 7年 |
コーティングの種類(素材)によって価格や性能が異なるのです。
ここからは、種類ごとのメリットとデメリットを解説していきます。
1-1 油脂系コーティング(ワックス)
メリット | ・光沢に優れ強い撥水性能が期待できる |
デメリット | ・熱に弱く雨で流れ落ちてしまう |
油脂系コーティング(ワックス)とは、カルナバ蝋という蝋を原料としているため艶出し効果に優れた製品です。比較的安価に施工できるため愛用している方が多いですが、塗装面に油の膜を張るため、熱による劣化や油汚れが付着しやすくなります。
ワックスとは簡単にいうと
① 熱による劣化が起こりやすい
② 塗装に結合しない
③ 比較的安価でDIY向き
④ 持続性が悪い
続いては、樹脂系コーティングについて解説していきます。
1-2 樹脂系コーティング(ポリマー)
メリット | ・ワックスより持続性が良い |
デメリット | ・熱による劣化でコーティングが剥がれてしまう |
樹脂系コーティング(ポリマーコーティング)とは、高分子体化合物と言われるフッ素やシリコンが含有された製品で、ワックスに比べ耐久性(持続性)が長く、1度の雨や熱で流れ落ちる心配はありません。
ポリマーコーティングは施工性が良いため素人の方でも簡単に施工できる商品となります。主に、ネットショップなどで液体ワックスが販売されておりますが、これらは全てポリマーコーティング剤となります。
量販店でも比較的安価で依頼でき、施工時間も2時間程で完了するので気軽に頼めるのが特徴です。
ポリマーコーティングとは簡単にいうと
① ワックスより持続性がある
② 自分でも気軽に施工できるDIY向け商品
③ 施工性に優れており、量販店やガソリンスタンドで気軽に頼める
④ 施工時間が短いため、待ち時間が少ない
続いて、ガラス系コーティングの解説をしていきます。
1-3 ガラス系コーティング(ポリマー×ガラス繊維)
メリット | ・樹脂系コーティングより持続性が良い |
デメリット | ・紫外線による劣化を防止することは出来ない |
ガラス系コーティングはガラス繊維が含有されているため、ポリマーコーティングに比べ持続がよいが、ガラスコーティングに比べると耐紫外線性に衰える。
ガラス系コーティングとは簡単にいうと
① ポリマーコーティングより持続性が良い
② ポリマーコーティング剤にガラス繊維を含有
③ ポリマーに比べ光沢や防汚性効果が高い
④ カーディーラーの大半がガラス系コーティングを取り扱う
続いては、ガラスコーティングについて解説していきます。
1-4 ガラスコーティング(硬化型ガラス繊維)
メリット | ・ガラス被膜を形成するため光沢に優れる ・耐紫外線性能や防汚性能に優れる |
デメリット | ・ガラス系コーティングと比べ費用が高い ・酸性溶剤でコーティング被膜が解けてしまう |
硬化型のガラスコーティング剤は施工性が非常に難しく、コーティング塗布時にムラに可能性があるため、ほとんどの量販店やディーラーでは取り扱いが困難になります。 コーティングプロショップの大半はガラス被膜(シリカ)を形成する製品を取り扱っているため持続性や光沢に優れます。
ガラスコーティングとは簡単にいうと
① 100%ガラス被膜を形成するため、持続性に優れている
② シリカ被膜を形成するため、防汚性能や耐紫外線性、耐擦り性能に優れる
③ 硬化するとガラス被膜を形成するため熱や雨に強い
1-5 セラミックコーティング(硬化型ガラス繊維)
メリット | ・セラミックコーティングは一度硬化すると薬品で剥がれない ・物理的にコンパウンドで磨かないと剥がれない ・最高被膜硬度9Hの被膜を形成し耐スクラッチ性能に優れる |
デメリット | ・施工費が高額である |
セラミック分子化合物を含有するコーティング剤で一度硬化すると薬品で剥がすことは出来ません。物理的にコンパウンドで磨かない限り剥がすことが出来ないため耐久性は他の製品に比べ圧倒的な効果を実現します。
被膜の厚みも従来のガラスコーティング(0.3μ)に対しセラミック被膜(1μ)と3倍の厚みを形成するため、硬さと輝きに優れます。
セラミックコーティングとは簡単にいうと
① 耐薬品性に優れ、薬品で剥がすことが出来ない程強固
② 最高硬度9Hの硬い被膜を形成するためキズが入りづらい
③ ガラスコーティング被膜の3倍の厚みとなり光沢に優れる

1-6 自己修復型セラミックコーティング
メリット | ・洗車などで付着する微細な小傷が復元する |
デメリット | ・施工費が高額 |
自己修復コーティングを施工することで、塗装面に付着した微細な小傷が復元する特殊コーティング被膜を形成します。 塗装面の温度を高温(60℃)まで温めることで、キズが復元する効果を発揮します。また、被膜の厚みもセラミックコーティング(1μ)に比べ自己修復型コーティング(12μ)の厚みを形成するため光沢に圧倒的な差がでます。

一度施工すると7年間塗装面の輝きを維持し、汚れや傷から塗装を守る特殊なコーティングシステムです。
自己修復型セラミックコーティングとは簡単にいうと
① 付着した細かい小傷が復元する
② 7年の持続性を発揮し長期間輝きを維持する
③ セラミックコーティング被膜に比べ12倍の厚みを形成し光沢に優れる
以上6つのコーティング種類をご紹介しました。
コーティングの種類によって価格と効果が異なるので自分に合ったコーティングを選ぶのがポイントです。
さて、次に最適なコーティングを選ぶ際の2つ目のポイント(水弾き)をお伝えします。
コーティングには大きく分けて4つの水弾きが存在します。撥水(はっすい)、親水(しんすい)、疎水(そすい)、滑水(かっすい)の4タイプの水弾きの効果があります。疎水と滑水は同じ水弾きとなりますので、ここでは疎水の説明をさせていただきます。
まずは、下記のイラストをご覧ください。

コーティングには水滴の弾き方で性能が異なります。駐車環境や洗車の頻度によっておすすめの水弾きが異なります。これより、おすすめの水弾きをご紹介していきます。
2-1 駐車環境と洗車頻度で異なるおすすめの水弾き

上記、イラストのように洗車の頻度と駐車環境によっておすすめの水弾きが異なります。何故ならば、水弾きによって得られる効果や特徴が異なるからです。
ここからは、各種水弾きについてご紹介していきます。
2-2 各種水弾きによる特徴
撥水タイプ | |
特徴 | ・水がコロコロ弾くので気持ちが良い |
メリット | ・洗車時の水分の拭き上げが楽になる ・洗車時の汚れ落ちが良い |
デメリット | ・水滴が塗装面に残留し乾いてシミになりやすい |


撥水タイプは洗車時に汚れが水滴にまとまり汚れ落ちが良いのが特徴です。汚れ落ちが良いため洗車の時間を短縮しお手入れが楽になります。 難点は水滴がレンズ効果の役割を果たし、直射日光を浴びると塗装面に焼き付きイオンデポジットなどのシミが付着しやすい点です。
疎水or滑水タイプ | |
特徴 | ・水滴は弾くが撥水に比べ塗装面に水滴が馴染む |
メリット | ・撥水に比べイオンデポジットなどのシミになりづらい ・洗車時の汚れ落ちが良い |
デメリット | ・撥水のような水弾きは得られない |

【疎水タイプによる水弾き】
疎水or滑水タイプは撥水に比べシミ(イオンデポジット)が付着しづらいため、屋外駐車などの車両におすすめのコーティング剤です。
親水タイプ | |
特徴 | ・水滴が塗装面に馴染み水玉になりづらい |
メリット | ・塗装面に水滴が馴染むためレンズ効果によるシミが付着しづらい ・雨が降ると汚れが流れ落ちやすいため洗車の頻度を抑えることができる |
デメリット | ・水が弾かないためコーティングがかかっている実感が湧きにくい ・洗車時の汚れ落ちは撥水や疎水に比べ悪い |

【水をかけると塗装面に水が馴染む】
親水タイプは各種水弾きの中で雨シミと言われるイオンデポジットが最も付着しづらいコーティングで雨が降ることで汚れが自然と流れ落ちてくれるため洗車の頻度を軽減することが出来ます。
ここまでが、コーティングの種類において大切な2つのポイントをお伝えしました。コーティングの【種類と水弾き】を理解した上で自分に適切なコーティングを施工しましょう!
ここからは、いざコーティングをされる際にコーティング施工店の選び方をお伝えしていきます。
コーティングを施工する場所によって取り扱う製品が異なります。今回はディーラーコーティング、量販店コーティング、コーティング専門店について解説していきます。
3-1 専門店コーティング
ガラスコーティング専門店で取り扱う製品は大半が硬化型のガラスコーティングを取り扱っており、低性能のポリマーやガラス系を取り扱っているところは少ないです。 また、専門でコーティングをしているため施工実績が豊富なので安心して任せることが可能となります。
専門店コーティング | |
価格 | 10万~15万 |
コーティングの耐久性 | ★★★ |
メリット | こだわりのプロ職人が作業してくれる |
デメリット | 施工期間が2~3日かかる |
こんな方におすすめ | 金額より仕上がり重視の方 |
金額面で考えるとディーラーコーティングとほとんど大差はありませんので設備や施工実績が豊富で耐久性が高い専門店がお得です。
3-2 量販店コーティング
量販店のコーティングとディーラーコーティングは同等の製品を取り扱っています。 量販店もディーラー同様にポリマーコーティングもしくはガラス系コーティングを取り扱っており、持続性や耐久性はほとんど同じです。
量販店コーティング | |
価格 | 3万~6万 |
コーティングの耐久性 | ★★ |
メリット | 低価格&短時間で作業が出来る |
デメリット | 持続性(耐久性)が低い |
こんな方におすすめ | 価格重視の方 |
性能はほとんど変わらないのにこれだけ金額差が出ます。
そう考えると断然、量販店コーティングの方がおすすめです。
施工できる場所
・オートバックス
・イエローハット
・ガソリンスタンド(キーパーコーティング)
3-3 ディーラーコーティング
ディーラーコーティングはガラス系コーティングもしくはポリマーコーティングの取扱いが支流となります。ガラス系やポリマーコーティングは非常に薄い被膜を形成するためムラになりづらい商品です。
その為、ディーラーの営業マンや外注業者に依頼してもトラブルなく仕上げることが出来るのです。
ディーラーコーティング | |
価格 | 6万~15万 |
コーティングの耐久性 | ★★ |
メリット | ディーラーなので安心感がある |
デメリット | 外注作業のため仲介マージンが発生する |
こんな方におすすめ | こだわりより無難性を求める方 |
3-4 DIYコーティング

必ずしもコーティング施工店で依頼するのがベストという訳でもありません。 自分で施工できる方(時間の確保と多少の知識)があれば自分でもコーティングを施工することが可能となります。
コーティング施工店で依頼すると数万~数十万かかる費用が材料費だけで済むため、1万円あれば十分なコーティングを施工することが可能となります。
自分でDIYコーティングするなら施工方法をしっかりと理解した上で行うようにしましょう。
DIYコーティング | |
価格 | 5千~1万 |
コーティングの耐久性 | ★★ |
メリット | ディーラーコーティング同様の性能で安価 |
デメリット | 作業時間の確保と労力が伴う |
こんな方におすすめ | 自分で車をいじるのが好きな方 |
ここまでコーティングを施工する場所についてご紹介してきました。
最後にプロがおすすめするコーティングをご紹介していきます。

上記のイラストのように洗車の頻度によってもおすすめのコーティング種類は異なります。 耐久性と洗車頻度を加味した上で最適なコーティングを選ぶようにしましょう!
4-1 洗車の頻度が少ない方おすすめのコーティング
1位 セラミックシールド(親水タイプ×セラミックコーティング)
2位 クォーツガラスコーティング(親水タイプ×ガラスコーティング)
上記2種類のコーティングは親水タイプのコーティングとなります。
親水タイプのコーティングは自浄性に優れるため、洗車の頻度が少ない方には相性抜群のコーティング剤なのです。
自浄性能とは雨が降った時に自然と汚れが流れ落ちやすいため、汚れが塗装面に残留して乾くことによるシミ(イオンデポジット)の付着を大幅に軽減します。
参考価格 プリウス(Mサイズ)の場合
セラミックシールド ¥151,200円
クォーツガラスコーティング ¥108,000円
※2019年5月2日現在の価格です。
4-2 洗車をマメにする方におすすめのコーティング
1位 セラミックプロ9H(疎水タイプ×セラミックコーティング) 2位 シャインコーティング(疎水タイプ×セラミックコーティング) 3位 エシュロンコーティング(滑水タイプ×ガラスコーティング)
上記3種類は疎水or滑水のコーティングとなります。
塗装面に水滴が付着すると水玉になるため親水タイプに比べるとシミが付着しやすくなります。しかし、親水よりも洗車時の汚れ落ちと光沢に優れるため、マメに洗車される方には、上記3種類のコーティングがおすすめとなります。
参考価格 プリウス(Mサイズ)の場合
セラミックプロ9H ¥151,200円
シャインコーティング ¥129,600円
エシュロンコーティング ¥108,000円
※2019年5月2日現在の価格です。
4-3 小傷対策重視の方におすすめのコーティング
1位ファインラボヒールプラス
上記のコーティングは2019年5月2日現在で市場に出回っている製品で最も高い性能を誇ります。最大の特徴は塗装面に付着した微細な小傷が消えるという全く新しいコーティングシステムを兼ね備え、コーティング被膜の厚みも12μという驚異的な膜厚を形成するため、非常に優れた商品です。
参考価格 プリウス(Mサイズ)の場合
ファインラボヒールプラス ¥280,800円
※2019年5月2日現在の価格です。
車のコーティングを選ぶ時には自分の車に合った(種類と水弾き)を選ぶことがポイントとなります。
① コーティングの種類を選定する
② コーティングの水弾きを選定する
上記の2つをポイントにコーティングの種類を決定することが、コーティングを施工して長期間綺麗に保つためのポイントとなります。
自分の洗車頻度や駐車環境を加味した上でコーティングを選ぶようにしましょう! 専門店でコーティングをご検討の方はIICまでご相談を頂ければ、お客様の車や駐車環境に適したコーティングプランをご紹介させていただきますのでお気軽にご相談下さい。