
車を大切に扱うには、定期的な洗車が欠かせません。中でも「手洗い洗車」は、機械洗車では得られない、きめ細やかなケアが可能です。
手洗い洗車の最大のメリットは、車の塗装を傷つけずに洗浄できる点です。機械洗車では、ブラシなどによって細かな傷がつくことがありますが、手洗いなら柔らかいスポンジやタオルを使って優しく洗うことができます。また、細部まで丁寧に洗えるため、汚れが残りにくいという利点もあります。
この記事では、手洗い洗車のメリットと、効果的なやり方について詳しく解説していきます。
手洗い洗車の基本
手洗い洗車は、車を美しく保つための最も丁寧な方法の一つです。正しい手順と道具を使えば、塗装を傷つけることなく、細かな汚れまでしっかり落とすことができます。ここでは、手洗い洗車を初めて行う方にも分かりやすく、その基本的な流れとポイントを解説します。
手洗い洗車とは
手洗い洗車とは、その名の通り自分の手で車を洗う方法です。機械洗車とは違い、道具を使い、洗車用のシャンプーで丁寧に車体を洗い上げます。
細かな部分まで丁寧に洗えるため、車へのダメージを最小限に抑えつつ美しく仕上げることができます。車を傷つけるリスクを減らし、細かな部分まで行き届いた洗浄が可能です。
細部に目を配ることで、見落としがちな汚れや傷を発見しやすく、必要に応じてメンテナンスも行えます。自分の手で車を洗うことは、車に愛着を深める良い機会にもなります。
例えば、塗装の剥がれや小さな傷を見つけて対策を取ることが可能となり、単なる洗車ではなく、車を守るための大切な作業といえるでしょう。
手洗い洗車のメリット
手洗い洗車のメリットは下記です。
メリット①塗装面へのダメージが少ない 洗車機ではブラシの摩擦によってボディに細かい傷がつくことがありますが、手洗いなら柔らかいスポンジを使うため傷を防ぎやすくなります。 さらに、自分の手で状態を確認しながら洗えるため、汚れの見落としが少なく、車をより丁寧にメンテナンスできます。メリット②細部までキレイにできる ホイールの隙間やドアの内側など、洗車機では届かない部分も丁寧に洗うことが出来ます。 メリット➂車の状態をチェックできる |
手洗い洗車の最大のメリットは、何と言っても車を丁寧にケアできる点です。
機械洗車と比較すると、細部にわたって注意を払うことができるため、汚れが残りにくく、見えない場所まできれいにすることができるでしょう。
手洗い洗車の道具
手洗い洗車を行う際に準備しておくべき道具について解説します。
手洗い洗車に必要な道具
手洗い洗車を行うには、専用の道具があるとより仕上がりが美しくなります。
【洗車用シャンプー】
市販のものから専門店で購入できる高品質なものまで様々ですが、車に優しい成分が含まれているものを選ぶことがポイントです。
おすすめは中性タイプか弱アルカリ性のカーシャンプーで、ボディへの負担が少なく、コーティング施工車にも安心して使えます。また、界面活性剤が控えめなものや、ノンシリコンタイプは洗浄力と安全性のバランスが良く、初心者にも扱いやすいのが特徴です。泡立ちの良いタイプを選べば、汚れを浮かせて傷を防ぐ効果も期待できます。
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【柔らかい洗車スポンジ】
できるだけ車体を傷つけないために、柔らかいスポンジを選ぶようにしましょう。
特に凹凸のあるスポンジは、汚れを包み込むように取り込むため、ボディ表面を擦りすぎずに洗浄できます。柔らかい素材でできているものを選べば、デリケートな塗装面にも安心して使用でき、洗車キズのリスクを大幅に減らすことが可能です。また、グリップしやすい形状のものは、力加減の調整もしやすく、作業効率も向上します。
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【バケツ】
洗剤を溶かすために使うだけでなく、洗ったスポンジを洗浄するための水としても使用します。
バケツは最低でも2つ用意するのが理想で、1つはシャンプーを溶かす用、もう1つはスポンジをすすぐ用に使います。汚れたスポンジをきれいなシャンプー液に戻すことがなくなり、洗車中の傷を防ぐ効果が高まります。清潔な水を保つことで、より安全かつ丁寧な手洗いが実現できます。
【マイクロファイバータオル】
洗車後に水分を切る際、車体に傷がつくことを防ぎながら、ピカピカに仕上げることができます。そのためには、吸水性に優れたマイクロファイバークロスなど、柔らかい素材のタオルを使うのがおすすめです。タオルはこすらず、軽く押さえるようにして水分を吸い取ると、塗装面を傷つけずに美しく仕上がります。広い面から順に拭き取ることで、効率よく作業でき、ムラのないツヤのある仕上がりが期待できます。
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手洗い洗車の手順
洗車の手順について詳しく見ていきましょう。
<手洗い洗車の手順>
手順①事前にホコリや砂を水で流す
いきなりスポンジでこすると傷の原因になることも。水でしっかりと表面の汚れを流しましょう。まずはホースや高圧洗浄機を使って、ボディ全体の砂やホコリをたっぷりの水で流すことが重要です。この予洗いを丁寧に行うことで、スポンジで洗う際に細かな砂粒などがボディを擦るのを防ぎ、洗車傷のリスクを大幅に減らすことが出来ます。タイヤハウスやバンパー下など、汚れがたまりやすい部分も忘れずに水で流しておきましょう。
手順②専用のカーシャンプーを使う
家庭用洗剤ではなく、車専用のシャンプーを使うことで、塗装面を痛めずに洗浄できます。家庭用洗剤には油分を強力に落とす成分やアルカリ性のものが多く含まれており、車の塗装やコーティングを傷める原因になります。その点、車専用のシャンプーは中性や弱アルカリ性でマイルドな成分が使われているため、ボディやコーティングへの影響を最小限に抑えながら、しっかりと汚れを落とすことができます。また、泡立ちが良いタイプは、汚れを浮かせてスポンジでやさしく洗えるため、洗車傷の防止にもつながります。定期的な洗車でも安心して使えるのが車専用シャンプーの大きなメリットです。
手順③ホイールから洗浄する
洗車の際は、最初にホイールから洗うのが基本です。ホイール部分はブレーキダストや泥汚れが特に多く付着しており、車体よりも汚れが強いため、最初にしっかり洗浄することで汚れの飛び散りを防ぎ、後の作業がスムーズになります。専用のホイールブラシやスポンジを使い、スポークの隙間やナット周辺まで丁寧に洗いましょう。カーシャンプーとは別に、ホイール用のクリーナーを使うと、頑固な汚れも落ちやすくなります。ホイールを清潔に保つことで、車全体の美しさが引き立ちます。
手順④ボディを洗浄する
ホイールを洗い終えたら、次は車のボディ部分の洗浄に移ります。まずはたっぷりの水で表面の汚れやホコリをしっかりと流し、砂粒などが残らないようにしてから洗い始めましょう。その後、泡立てたカーシャンプーをスポンジに含ませ、ルーフから順番に下へ向かって優しく洗っていきます。スポンジは一方向に動かすのがコツで、円を描くようにこすると傷の原因になります。
手順⑤水でしっかり流す
シャンプー成分が残らないよう、たっぷりの水で洗い流しましょう。シャンプーがボディに残ると、水アカやシミの原因になることがあります。特にミラーの隙間やエンブレム周辺などは泡が残りやすいため、丁寧に水をかけて流すことが大切です。高圧洗浄機を使うと、細部までしっかりと洗い流せるのでおすすめです。洗い流しを怠らず、きれいな仕上がりを目指しましょう。
手順⑥やわらかいクロスで拭き上げる
自然乾燥は水垢の原因に。やわらかいマイクロファイバークロスなどで水気を優しく拭き取ります。
自然乾燥をしてしまうと、水に含まれるミネラル分がボディ表面に残り、イオンデポジット(水垢)の原因になります。特に夏場など乾きやすい時期は注意が必要です。吸水性に優れたマイクロファイバークロスを使い、こすらず軽くなでるようにして拭き取るのがポイントです。水滴を残さず丁寧に拭き上げることで、美しいツヤを保つことができます。
関連記事:車の洗車方法をプロが徹底解説8ステップで誰でもプロ洗車できる
手洗い洗車と機械洗車の比較
洗車方法には大きく分けて「手洗い洗車」と「機械洗車」があります。
それぞれに異なるメリットとデメリットがあり、目的や状況によって使い分けることが大切です。
手洗い洗車の利点
手洗い洗車の最大の利点は「丁寧さ」にあります。自分の手で車を洗うため、細かな部分まで目が届きやすく、機械洗車では届かない隅々まできれいにできます。
目に見えにくい汚れや小さな傷にも気付きやすく、洗い残しが少なくなるのも利点です。また、柔らかいスポンジやクロスを使うことで、塗装面へのダメージを最小限に抑えられます。
手洗い洗車は車の状態を直接確認する良い機会にもなります。洗車中に細かい傷や凹みを見つけやすく、早めに対処することができるでしょう。
機械洗車の利点
機械洗車は「手軽さ」と「スピード」が魅力です。忙しい時や時間が限られている時に、短時間で車をきれいにできるのは大きなメリットです。
ガソリンスタンドや洗車場で手軽に利用でき、洗浄力も一定レベルを保っています。高圧水や専用洗剤によって、しつこい汚れもある程度除去可能です。
最近では車へのダメージを抑えたブラシやノンブラシタイプの機械も登場し、以前より塗装への影響が少なくなっています。
手洗い洗車の店舗での料金は
手洗い洗車の料金は、店舗やサービス内容によって異なりますが、一般的にはリーズナブルな価格帯で提供されています。
手洗い洗車の料金は、車のサイズや汚れの状態によって異なりますが、一般的には、おおよそ3,000円~5,000円程度が一般的です。
スタンドや専門店によっては、経年劣化や深い汚れに対応するための特別な洗車コースも用意されており、より丁寧な仕上げやコーティングを含む場合は、それ以上の価格になることもあります。
多くの店舗では以下のようなサービスが含まれます。
・ボディの水洗い ・専用シャンプーによる手洗い ・ホイール・タイヤの洗浄 ・拭き取り・乾燥作業 |
その他にも車体の洗浄、ホイール清掃、窓ガラスの拭き上げが含まれます。定期的に手洗い洗車を行うことで、車のコンディション維持にもつながるでしょう。小さな傷の早期発見や、劣化の防止にも役立つ点が、プロによる手洗い洗車の魅力といえるでしょう。
手洗い洗車の注意点
手洗い洗車の際には、いくつかの注意点があります。
洗車環境
洗車環境を整えることは、仕上がりに大きく影響します。
洗車の場所は、できるだけ直射日光の当たらない日陰を選びましょう。日陰を確保することが難しい時は、曇りの天候の日を選ぶと良いでしょう。
日差しを避ける理由として、太陽光が強いと水や洗剤がすぐに乾いてしまい、水垢が残ってしまう原因になるからです。特に夏場は、日差しが強いため日陰がある場所を確保することが重要です。
また、一日の中でベストな時間帯は、気温が適度な時です。晴れた日の午前中や夕方など、気温が高すぎず、日差しが強くない時間帯を選ぶと良いでしょう。そうすることで、洗剤を使った後の水がすぐに乾くことを防ぐことができるため、ムラなく仕上がり、洗車自体もスムーズに進めることができます。
洗車中は周囲に十分なスペースがあることも大切になります。洗車道具やバケツを置くための、広い環境を確保して作業するようにしましょう。
関連記事:炎天下の洗車はダメ?ボディを傷めない洗車方法&意識すべきポイントをプロが解説
洗車頻度とタイミング
手洗い洗車の頻度とタイミングは、車の使用状況や環境によって異なりますが、一般的には2週間に1回のペースをおすすめします。
この頻度を基準にすることで、車を常に綺麗な状態に保つことができます。 特に、雨の日や雪の日に乗った後は、早めの洗車を心掛けると良いでしょう。泥や塩分が車体に残ると、塗装に悪影響を及ぼすことがあります。また、花粉や黄砂の季節も早めの洗車が効果的です。放置すると塗装にシミや変色を引き起こす原因になるため、定期的なケアが大切です。
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まとめ
手洗い洗車は、車を丁寧にきれいに保ちたい方にとって、非常に効果的な方法です。
時間と手間はかかるものの、細部までしっかり洗えることや、塗装を傷めにくい点など、多くのメリットがあります。
機械洗車の手軽さも魅力ですが、大切な愛車を長く美しく保つためには、定期的な手洗い洗車の実施が理想的です。
特に、季節の変わり目や長距離運転の後など、塗装面に負担がかかったタイミングでは、丁寧な洗車が車を守ることにつながります。
車を大切にするだけでなく、これからのあなたのカーライフが、さらに充実したものになるよう、ぜひ手洗い洗車に挑戦してみてください。
この記事が参考になれば幸いです♪

著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。