
梅雨の時期は雨が頻繁に降るため、洗車してもすぐに濡れて汚れが付着してしまいがちです。とはいえ、梅雨の時期に関係なくボディをきれいな状態で維持するには、こまめな洗車が欠かせません。
「洗車したいけど雨が続いてなかなかできない」「どうせまた濡れるのなら水をかけるだけで十分では」と悩む人もいるのではないでしょうか。
当記事では、梅雨の時期の洗車方法やベストなタイミング、その頻度についてわかりやすく解説していきます。
当記事でわかる事 ・梅雨の時期でも洗車が必要な理由 ・梅雨の時期に洗車するメリット ・梅雨における洗車のベストなタイミング ・梅雨における最適な洗車頻度 ・梅雨における洗車機の利用方法 ・梅雨の時期の洗車を楽にする方法 ・梅雨の洗車に関するよくある質問 |
【結論】梅雨の時期でもこまめな洗車が必要
梅雨の時期は雨が頻繁に降るため、ボディについた砂・ホコリなどは自然に流れ落ちます。そのため「この時期は洗車の必要がない」と考える方もいるでしょう。とはいえ、梅雨でもこまめな洗車は欠かせません。確かに雨で汚れはある程度落ちますが、こびりついた汚れは残ります。
さらに、雨水と汚れが混ざるとシミができやすく、雨水にも排気ガスやチリなどの成分が含まれており、塗装に悪影響を与えます。ただし、お手入れのやり方や頻度は、晴天が続く時期と同じというわけではありません。正しい知識を持って対処すれば、シミの発生を防ぎながら愛車をきれいに保てます。
梅雨の時期でも洗車が必要な理由
前述の通り、雨の時期でもこまめな洗車は必要です。雨で汚れが落ちるように思えますが、実際はそうではありません。愛車をきれいに保つには、乾いたボディに雨水がつくとどうなるかを理解しておく必要があります。ここでは、梅雨の時期でも洗車が必要な理由を3つ紹介します。
雨に含まれる汚れがボディに残りやすくなる
雨水は透明で一見きれいに見えますが、さまざまな汚れを含んでいます。具体的な汚れや成分は以下の通りです。
・工場や車の排煙に含まれるすすや油分 ・黄砂や花粉などの鉱物・有機粒子 ・海塩(海岸付近の場合) ・雨粒に溶けた酸性成分(硫酸・硝酸など) |
上記の成分を含む汚れは雨とともに車のボディ全体に広がり、乾燥すると成分だけが固着して残ります。
時間が経つほど取れにくくなり、何度雨に濡れても流れ落ちません。
濡れては乾くサイクルが繰り返されると、塗装の表面にあるクリア層が劣化し、やがてその下にある塗膜まで浸食されるおそれがあり、ひどい場合は、凹凸のあるシミとして目立ってしまいます。
こうしたダメージを防ぐには、雨が降ったあとの洗車を習慣にしておくことが大切です。
黄砂や花粉が固着して塗装を傷める原因になる
雨水に含まれる汚れだけでなく、季節によっては雨の前にボディに付着した黄砂や花粉にも注意が必要です。
特に花粉は「ペクチン」というたんぱく質を含み、水に濡れると塗装に広がってしまいます。
そのあとに自然乾燥が続くと、ペクチンが塗装表面に強く定着し、シミや凹凸を発生させる原因となり、花粉の時期に見られる独特の塗装ダメージは、このペクチンが原因です。
一方、黄砂は硬くて細かい鉱物粒子を含み、雨や湿気と反応すると白く残る沈着物に変化します。
これらの汚れは放置すると通常の洗車では落ちにくく、塗膜にも悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、乾いた状態で擦れると細かな傷がつきやすいため注意が必要です。黄砂や花粉は自然に消えるものではないため、定期的な洗車で早めに取り除く必要があります。
関連記事:花粉汚れに悩む方必見!花粉時期におすすめの洗車方法と花粉汚れ対策
関連記事:黄砂の洗車で最適なグッツと黄砂の注意点をコーティングのプロが解説
放置することでコーティングの効果が落ちる
これまで紹介してきたような汚れや雨水に含まれる成分の固着を防ぐうえで有効なのが、コーティングです。ボディ表面に撥水性のある被膜を形成することで、汚れが付着しにくくなります。ただし、すべてを完全に防げるわけではありません。
コーティング被膜が少しずつダメージを受けしまい、そのまま放置してしまうと被膜が劣化し、撥水効果や艶が減少します。費用をかけて施工しても、すぐに効果が薄れては意味がありません。
コーティングを長持ちさせるためにも、「雨が降るから洗わない」という考えは逆効果といえます。梅雨の時期に関係なくこまめなお手入れは必要です。
関連記事:ガラスコーティングが剥がれて撥水しない?撥水を復活する方法と予防策
梅雨の時期に洗車するメリット
梅雨の時期にこまめな洗車を行うことは、愛車をきれいに保つうえでとても重要です。ただ雨に濡れ続けるだけの場合と、しっかり洗車を行った場合では、仕上がりやダメージの蓄積に大きな違いが出てきます。ここでは、梅雨のタイミングで洗車をすることで得られる具体的なメリットについて解説します。
汚れの蓄積を防ぎボディを清潔に保てる
洗車は、雨水以上の水圧でボディ表面の汚れをしっかり洗い流せます。そのあとにカーシャンプーでやさしく洗えば、水だけでは落ちない汚れも取り除けるため、蓄積していた汚れをリセットできます。また、雨に濡れたあとのように水滴を自然乾燥させることがないため、シミもできません。
ただし、直射日光が強い日は数分で水玉が乾いてしまうので注意が必要です。さらに洗車のついでに専用クリーナーを使えば、通常の洗車では落ちないシミ汚れも除去しやすくなります。コーティング施工車であれば、表面の傷んだ被膜を整えて保護できるため、撥水効果や防汚効果をしっかり維持することにもつながります。
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雨ジミやシミ跡を残しにくくなる
洗車をしておけば、表面に付着した汚れをあらかじめ落とせるため、その後に雨が降っても汚れと雨水が混ざって固着する心配はありません。もちろん雨水に含まれる成分が多少残ることはありますが、ボディがきれいな状態であれば、目立つようなシミがすぐにできることは基本的にありません。
前述した通り、専用のクリーナーを使えば、通常の洗車では落ちない雨ジミやシミ跡も除去できます。洗車でも取れない頑固なシミには、シミ除去剤をおすすめします。溶剤をボディに塗り広げてから水で流すだけのため、初めての方でも扱いやすく安心です。SCHILD®のイオンデポジット除去剤であれば、研磨剤を含まず、コーティング施工車にも安心して使用できます。
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梅雨における洗車のベストなタイミングは「雨が降る前後」
雨の日が続く梅雨において、洗車に最適なタイミングは「雨が降る前後」です。雨が降る前にボディについた汚れをあらかじめ落としておけば、雨で一気に汚れが広がるのを防げます。結果として、ボディへのダメージも抑えられます。
また、雨が降った直後もタイミングとしておすすめです。雨のあとすぐであれば、太陽の熱によって汚れが固着する前に落とすことができるため、比較的軽い手入れでも十分です。
つまり、汚れた状態で放置せず、乾燥する前にきれいにしておくことがポイントです。こうしたタイミングを意識することで、塗装やコーティングの劣化も防ぎやすくなります。タイミング的にどうしても難しい場合は、洗車前に上から下の順番で水を強めにかけて汚れをふやかして流し落としてからボディを洗いましょう。
関連記事:車の洗車方法をプロが徹底解説8ステップで誰でもプロ洗車できる
梅雨における洗車の頻度は2週間に1回前後が最適
梅雨の時期でも、洗車の頻度は基本的に通常と大きくは変わりません。
雨と晴れが交互に続くような天候であれば、汚れが蓄積しやすいため、1週間に1回の洗車が理想的です。一方で、長雨や晴天が続いている場合は汚れが雨水と混ざりにくく、2週間に1回でも問題ないでしょう。
屋内駐車している車両であれば、2〜3週間に一度のペースでも十分といえます。また、コーティング施工車で表面に汚れが乗っているだけの状況であれば、強めの水圧で上から下に流すだけでも汚れを落とせます。ボディの状態を見ながら、洗車のタイミングや方法を柔軟に調整することが大切です。
関連記事:ガラスコーティング後の正しい洗車頻度|洗車機の利用や施工直後の注意点も解説
梅雨における洗車機の利用方法
数分で完了する洗車機は、ちょっとした空き時間で愛車をきれいにできる便利な存在です。最近では、シャンプー洗車だけでなく、ワックスや簡易コーティングまで対応できる高機能タイプも増えています。
洗車機を普段から利用している方でも、梅雨の時期はコースの選び方や使うタイミングで悩むことがあるのではないでしょうか。ここでは、梅雨における洗車機の上手な使い方について解説していきます。
おすすめの洗車コース
梅雨の時期、とくに洗車後に雨が降りそうな時には、基本的なシャンプーコースを選ぶのがおすすめです。
水洗いよりも洗浄力が高く、汚れをしっかり落としてリセットできます。ワックスやコーティングのコースは、防汚効果や艶出しの面で魅力がありますが、雨の予報が出ている場合には避けた方がいいでしょう。
ワックスは雨に流れやすく、成分が汚れと混ざって逆にボディを汚してしまうことがあります。さらにコーティングは定着に時間がかかるため、施工後すぐに雨が当たると効果が十分に発揮されません。仕上がりを重視するなら、天気が安定している日を選んで施工することが大切です。
梅雨の時期に洗車機を利用する際の注意点
洗車機に限った話ではありませんが、梅雨の時期に洗車コースを利用する際は、タイヤワックスの使用を控えるのが無難です。ガソリンスタンドなどでは、洗車後のセルフケアとしてワックス剤が用意されていることもありますが、雨がすぐに降る状況では注意が必要です。
タイヤワックスが乾燥しないまま雨に濡れると、走行中に回転で飛び散る可能性があります。飛び散ったワックスがボディに付着すれば、せっかく洗車した直後でも汚れの原因になりかねません。
梅雨時は、乾燥に時間がかかるようなアイテムの使用は避け、できるだけシンプルなケアを意識するとよいでしょう。
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関連記事:コーティングした車に洗車機は絶対NG!3つの理由と最適な洗車方法
梅雨の時期の洗車を楽にする方法
梅雨の時期は、雨の合間を見て洗車するのが理想とはいえ、仕事や予定でなかなか時間を取れない人もいるでしょう。そのような場合は、洗車の負担を減らす工夫を取り入れるのがおすすめです。ちょっとした工夫で手間を減らしつつ、ボディのきれいな状態を保ちやすくなります。
ここでは、梅雨の時期はもちろん、それ以外の季節でも役立つ洗車を楽にする3つの方法について紹介します。
ガラスコーティングを施工する
洗車作業を大幅に楽にできるのがガラスコーティングです。愛車をきれいに保つ手段として人気ですが、艶や光沢の向上だけがメリットではありません。撥水効果によって汚れの固着を防ぎ、雨水でも汚れが自然と流れ落ちやすくなります。軽い汚れであれば、水を強めにかけるだけで落とせるため、毎回シャンプーで洗う必要もありません。
水はじきが良いため、洗車後のふき取りも楽になります。また、専門店によっては施工会員向けの手洗い洗車サービスを用意している場合もあり、お手入れが苦手な方にとって頼れる存在です。費用を抑えたい場合は、DIY用のコーティング剤を使うのもひとつの方法です。
コーティング専門店・カービューティーアイアイシーでは品質はそのままに施工性を高めたDIY商品も多数販売しておりますので、ぜひお試しください。
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関連記事:ガラスコーティングはしない方がいいって本当?理由を徹底解説
関連記事:車のガラスコーティングを自分で簡単にやる方法をプロが暴露
乗らない時はカバーをかけておく
ボディに付着した汚れは、水と混ざることでシミになりやすくなります。車をしばらく使わない場合は、あらかじめカバーをかけておくことで、汚れの固着や日焼けなどを防ぐことができます。とくに鳥フンや落ち葉が多い場所に駐車している方には効果的です。
なお、カバーをかける際は必ず洗車をしてからにしましょう。汚れがついたままカバーをかけると、こすれてボディに傷が入る可能性があります。できれば2人以上で作業し、上からふわりとかぶせるように意識すると安心です。カバー選びの際は通気性のあるタイプを選ぶと湿気もこもりにくく、より安心です。
高圧洗浄機を利用する
高圧洗浄機があると、通常のホースでは落とせない汚れも簡単に除去できます。これにより、シャンプー洗車の回数を減らすことができ、日々の手間も軽減されます。また、洗車前に汚れを飛ばしておけば、スポンジでこすった際のキズリスクも抑えられます。
ただし、水圧が強いため注意が必要です。汚れが落ちにくいからといって、ノズルをボディに近づけすぎると、塗装がはがれる恐れがあります。商品によって差はありますが、使用時はボディから20~30cm程度離すようにしましょう。使い方を守れば、梅雨時の時短洗車に非常に役立つアイテムです。
梅雨の洗車に関するよくある質問
梅雨の時期の洗車について解説してきましが、まだまだ洗車について気になることがある方もいるでしょう。最後は梅雨の時期の洗車に関する5つのよくある質問に答えていきます。普段の洗車で参考にしてみてください。
雨の日に洗車するのはおかしい?
雨の日に洗車をする人は少数派ですが、決しておかしい行動ではありません。
むしろ雨が降っているうちにボディ表面の汚れを洗い流しておけば、自然乾燥によってシミができるのを防ぎやすくなります。とくに泥やホコリが多く付着している状態であれば、雨と一緒に流すことでダメージの蓄積を防げます。
シャンプー前にはしっかりと水をかけるのが基本ですが「水をかける手間が省ける」「拭き取りを省略できる」などの理由から、あえて雨の日に洗車をする人もいます。滑りやすい場所で転倒したり、風邪を引いたりしないように注意して行いましょう。
雨の日に水をかけるだけの洗車は意味ある?
雨が降っている中で、ただ水をかけるだけの洗車は正直あまり意味があるとは言えません。
雨と同じ水圧では汚れが流れきらないからです。ただし、高圧洗浄機などを使って、雨以上の勢いで水を当てられる場合は話が別です。固着しかけた汚れもある程度は落とすことができ、多少は効果が見込めます。
ただ、そこまで手をかけるのであれば、やはりシャンプー洗車まで行ったほうが効率的ですし、仕上がりにも差が出ます。洗う手間をかけるなら、その効果をしっかり得られる方法で取り組んだ方がいいでしょう。
雨の日に洗車機に入れるのはムダ?
雨が降っている日でも、洗車機を使うこと自体は無駄ではありません。
雨だけでは落ちにくい汚れや油分を、短時間できれいに洗い流せます。手洗いと同様に拭き取りの手間を省くことができるため、あえて雨天時に洗車機を選ぶ人もいます。
ただし、洗車機に備わっているワックスやコーティングのコースは、施工直後に雨が当たると効果が弱まったり、成分が流れてムラになる可能性があるため注意が必要です。洗浄目的に絞って使うのであれば、雨の日でも十分に活用できます。
梅雨の時期に洗車しなかったらどうなる?
梅雨に限った話ではありませんが、洗車を長期間しないままでいると、ボディに汚れがどんどん蓄積していきます。
雨に濡れたあと、自然乾燥によって汚れが固着して、それを繰り返すうちにシミが深くなり、やがて凹凸のある雨ジミへと変化していきます。
そのまま放置すると、表面を磨いても落ちないレベルにまで悪化する可能性もゼロではありません。また、表面に汚れがある状態では、本来の艶や光沢もまったく感じられません。定期的な洗車を怠ると、見た目だけでなく塗装の保護にも大きな差が出てしまいます。
雨が降るとわかっている場合の洗車方法は?
雨が降るとわかっていても、洗車は基本的に普段通りで問題ありません。ただし、曇り空で今にも降りそうな場合は、シャンプーを洗い流した段階で止めてしまうという選択肢もあります。
ただし、数十分で水滴が乾いてシミになることがあるため、迷った場合は拭き取りをしておく方が安心です。
ブロワーでの乾燥までは必要ないとしても、軽く拭いておくだけで仕上がりに差が出ます。また、DIY用のコーティング剤を使うなら、数日間は雨の心配がないタイミングを選ぶようにしましょう。
梅雨の時期に合わせた適切な洗車で愛車をきれいに維持しよう
梅雨の時期は雨と晴れを何度も繰り返すため、汚れと水分が混ざってシミができやすくなります。雨が降る前後に洗車を行い、汚れの固着を防ぐことが大切です。洗車の頻度は駐車環境によって異なりますが、屋外なら1〜2週間に1回、屋内でも2〜3週間に1回を目安に作業しましょう。
手間を減らしたい場合は、ガラスコーティングの施工がおすすめです。さらに、乗らない時期はカバーを活用するなど、環境に合わせた工夫も効果的です。梅雨の時期だからこそ、雨と上手に付き合いながら、愛車をきれいな状態で維持していきましょう。

著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。