バイクコーティングの費用は?専門店と自分で施工する場合の料金差と安く抑えるコツを解説のアイキャッチ画像

近年、バイクコーティングを施工する方が増えてきています。施工技術やコーティング剤の性能が向上したことで、タンクやカウル、フェンダーはもちろん、エンジン回りやホイールなど形状が複雑なパーツにも対応できるようになりました。

塗装の保護やツヤの維持、防汚効果といった魅力が得られる一方で、費用面が気になって施工を迷っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、バイクコーティングの費用相場や内訳、施工店ごとの料金比較、自分で施工する場合のコスト感、さらに費用を抑えるコツまで詳しく解説します。

【排気量・タイプ別】
バイクコーティングの費用相場

【排気量・タイプ別】バイクコーティングの費用相場

バイクコーティングの費用は、排気量や車種のタイプによって分けられていることが一般的です。施工範囲や使用するコーティング剤の種類によっても金額は変動しますが、まずはサイズごとの大まかな相場を把握することで、予算感がつかみやすくなります。ここでは、ビッグスクーター・小型・中型・大型といった排気量別に、施工費用の目安を紹介します。

250cc以下(ビッグスクーター・軽量ネイキッド・通勤ツアラーなど)

250cc以下のバイクは全体的にパーツ数が少なく、車体サイズも小ぶりなため、施工面積が抑えられます。それにより作業時間も短縮されるため、比較的リーズナブルにコーティングを依頼できるのが特徴です。主な施工費用の目安は以下の通りです。

・ポリマーコーティング:15,000~25,000円
・ガラスコーティング:30,000円〜55,000円
・セラミックコーティング:55,000円〜80,000円

近年はガラスコーティングが主流ですが、さらに費用を抑えたい場合はポリマーコーティングがおすすめです。形成する被膜が柔らかく耐久性は数ヵ月程度と低めですが、独特な「ヌルテカ」な艶が特徴で、根強い人気を誇るコーティングです。DIY向けの商品が多いため、扱っているお店は多くありません。施工を希望する場合は事前に確認してみましょう。

251cc〜400cc(ミドルクラスのネイキッド・SS・アメリカンなど)

中型クラスのバイクでは、外装パーツが増え、フェアリングやカウルなどの形状も複雑化するため、施工費用はやや高くなります。このクラスの費用相場は以下の通りです。

・ポリマーコーティング:25,000~35,000円
・ガラスコーティング:45,000円〜85,000円
・セラミックコーティング:65,000円〜100,000円

セラミックコーティングは、現行のコーティング剤の中でも最上位クラスに位置づけられ、シリカや酸化チタンなどを主成分とした硬度の高い被膜によって、優れた耐久性と防汚性を発揮します。重ね塗り可能な製品も多く、被膜が厚くなることで得られる深みのある艶や高級感が特徴です。長期的な保護性能や仕上がりの美しさを重視する方に適しています。

401cc以上(大型ツアラー・リッターバイク・輸入車フルカウルモデルなど)

排気量が401ccを超えるバイクは、外装面積や搭載パーツが増えるため、コーティングの費用も最も高額になる傾向があります。細部まで丁寧に仕上げるためには、技術と時間が必要であり、施工単価にも反映されやすくなります。おおよその費用相場は以下の通りです。

・ポリマーコーティング:35,000~50,000円
・ガラスコーティング:60,000円〜110,000円
・セラミックコーティング:90,000円〜150,000円

この価格帯は、タンク・カウル・フェンダー・サイドカバーなどを含むフル施工を前提としたものです。ただし、部分施工に対応している専門店も多く、紫外線の影響を受けやすいタンクやカウルのみに絞ることで、コストを抑える選択肢もあります。

お問合せフォームのバナー

バイクコーティング費用の内訳

バイクコーティング費用の内訳

コーティングは、溶剤をボディに塗布し、乾燥させることで強固な被膜を形成するものです。「ただ塗るだけなのになぜ数万円以上もかかるのか」と疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし実際は、施工前の下地処理や専用設備の使用が大きく関係しています。

とくに中古車のバイクでは、車体全体の汚れを細部まで丁寧に洗い流し、鉄粉やシミを専用の除去剤で処理し、塗装表面のクリア層を磨き上げる工程が欠かせません。その後、再洗浄を経て、コーティング剤を手作業やスプレーガンで均一に塗布します。

これらはホコリを遮断できる専用ブース内で実施され、最後に熱乾燥装置で定着させます。また、車種によっては外装パーツの脱着作業が必要になり、別途料金が加算されるケースもあります。溶剤費のほかに、このような作業費や設備費が内訳として含まれています。

主な施工店のバイクコーティング費用

主な施工店のバイクコーティング費用

バイクコーティングの作業工程は、どのお店でも大きく変わりませんが、取り扱うコーティング剤の種類や独自の施工メニューによって、費用は店舗ごとに異なります。

ある程度の相場はありますが、コストパフォーマンスを重視するお店もあれば、品質や仕上がりにこだわる専門店もあります。ここでは、代表的な3つの施工パターンごとに料金の特徴を紹介します。

キーパーコーティング(ガラスコーティング)

「キーパーラボ」は、KeePer技研が全国に展開する直営のコーティング専門店舗です。技術力と設備の両面で高い水準を維持しており、バイク専用のコーティングメニューとして「EXキーパー」と「エコダイヤキーパー」を提供しています。

EXキーパーは、有機レジンとプライマーガラスの2層構造により、3年間ノーメンテナンスでも美しさが持続し、定期メンテナンスを行えば最大6年間の耐久性を実現します。エコダイヤキーパーは、防汚性能に優れた樹脂層と高密度ガラス被膜の3層構造で、普段使いのしやすさとコストのバランスに優れたコーティングです。

EXキーパーの施工料金

・ネイキッド、スクーター(~125cc):75,900円
・セミカウル(メーターバイザー除く):87,600円
・フルカウル・スクーター(126cc):93,500円

エコダイヤキーパー

・ネイキッド、スクーター(~125cc):49,100円
・セミカウル(メーターバイザー除く):56,400円
・フルカウル・スクーター(126cc):60,600円

コーティングオプションとして「レンズコーティング」が3,600円で「無塗装樹脂パーツキーパー」が6,280円で追加できます。

CR-1(ガラスコーティング)

CR-1は、無機ガラスを主成分とするバイク専用の高耐久ガラスコーティングです。紫外線や熱、薬品に強く、透明な被膜が塗装を長期間保護します。全国の認定プロショップで施工され、仕上がりの品質にも定評があります。

施工コースは、ホイールのみを対象とする「ホイールコース」から、エンジンやマフラーまで施工する「スタンダードコース」さらにフレームやホイールも含めた「フルコース」、そして上位施工の「プレミアムコース」まで、全部で4種類が用意されています。このうち「外装コース」と「スタンダードコース」の施工価格は以下の通りです。

外装コース(国産車の場合)

・125cc~399ccのフルカウルの場合:52,800円~(中古車は58,300円~)
・400cc~749ccのフルカウルの場合:59,400円~(中古車は64,900円~)
・750cc~999ccのフルカウルの場合:62,700円~(中古車は68,200円~)
・1000cc以上のフルカウルの場合:63,800円~(中古車は67,100円~)

※施工箇所:タンク・フロントフェンダー・カウル・シートカウル

スタンダードコース(国産車の場合)

・125cc~399ccのフルカウルの場合:61,600円~(中古車は67,100円~)
・400cc~749ccのフルカウルの場合:66,000円~(中古車は71,500円~)
・750cc~999ccのフルカウルの場合:68,200円~(中古車は73,700円~)
・1000cc以上のフルカウルの場合:75,900円~(中古車は81,400円~)

※施工箇所:タンク・フロントフェンダー・カウル・シートカウル・エンジン・マフラー

錆びやキズが酷く、除去をお願いする場合、追加費用が発生するケースもあります。

コーティング専門店(セラミックコーティング)

コーティング専門店は、コスパよりも品質重視のお店が多い傾向にあり、セラミックコーティングをメインとするお店も少なくありません。専門店カービューティーアイアイシーでは、セラミックコーティング「System X」を扱っています。

System Xは飛行機や船舶などのコーティング剤として用いられており、圧倒的な膜厚と深みのある美しい艶が特徴です。また、耐熱性も760度と非常に高く、マフラーやエンジン部分も長く保護し続けられます。ラインナップは3種類に分かれており、各サイズの料金は以下の通りです。

System X Proの施工料金(ネイキッド・スクーターの場合)

・125cc~399cc:99,000円(磨きありは128,700円)
・400cc~749cc:110,000円(磨きありは143,000円)
・750cc~999cc:126,500円(磨きありは164,400円)
・1,000cc~1,199cc:143,000円(磨きありは185,900円)
・1,200cc以上:154,000円(磨きありは200,200円)

System X Proの施工料金(フルカウル・アメリカンの場合)

・125cc~399cc:123,700円(磨きありは153,400円)
・400cc~749cc:137,500円(磨きありは170,500円)
・750cc~999cc:158,100(磨きありは196,000円)
・1,000cc~1,199cc:178,700円(磨きありは221,600円)
・1,200cc以上:192,500円(磨きありは238,700円)

バイクコーティングメンテナンスもご用意しており、洗車後にメンテナンスクリーナーで水垢を除去する「ライトメンテナンス」は13,200円~です。ミネラル除去や保護材の塗布もある「スタンダードメンテナンス」は26,400円~となります。

お問合せフォームのバナー

自分で施工した場合のバイクコーティング費用

自分で施工した場合のバイクコーティング費用

バイクコーティングを自分で行う場合は、下地処理に使う洗車用品や鉄粉除去剤などを事前に用意する必要があります。これらはホームセンターやネットショップで簡単に購入でき、セット価格の相場は2,000円〜3,000円程度です。

使用するコーティング剤の価格は製品のタイプによって異なり、スプレータイプの簡易なものなら2,000円〜3,000円、本格的な完全硬化型タイプでは5,000円〜10,000円ほどが目安です。仕上げに使うマイクロファイバークロスなども必要ですが、多くの場合はコーティング剤に付属していますので、事前に内容を確認しましょう。

全体の費用は4,000円〜15,000円ほどで収まるケースが多く、比較的安価に施工できます。なお、塗装の状態が悪い中古車などでは、下地処理だけを専門店に依頼し、仕上げは自分で行うという方法も検討の余地があります。

バイクコーティングの費用を安く抑える方法

バイクコーティングの費用を安く抑える方法

バイクコーティングの費用について解説してきましたが、実はちょっとした工夫で費用を抑えることも可能です。施工内容やお店の選び方によっては、品質を落とさずにコストを下げられるケースもあります。ここでは、賢くお得に施工するための3つの方法を紹介します。

キャンペーンやセット割引を活用する

バイクコーティングの費用を抑えるためには、各店舗が実施するキャンペーンやセット割引の活用がおすすめです。たとえば、全国展開する「2りんかん」では、特定の店舗でKeePerコーティングのイベントを開催し、当日限定の特別価格で提供しています。

また、徳島県の「SOUP」では、春のツーリングシーズンに合わせて、バイク専用セラミックコーティングを10%オフで提供するキャンペーンを実施しています。これらの情報は、店舗の公式ウェブサイトやSNSで告知されることが多いため、定期的にチェックしてみましょう。※2025年5月時点の情報です。

部分施工を検討する

コーティングの費用を抑えたい場合、バイク全体ではなく、特に汚れやすい部分や目立つ部分だけを施工する「部分施工」を検討するのも一つの方法です。たとえば、CR-1では、ホイールのみを対象とした「ホイールコース」や、タンクやカウルなど外装パーツに限定した「外装コース」など、部分的なコースが用意されています。

これにより、必要な部分だけをコーティングすることで、全体施工に比べて費用を大幅に削減できます。特に、エンジンやマフラーなどの高温部位や、ホイールなどの汚れが付きやすい部分に限定して施工することで、コストパフォーマンスを高めることが可能です。

メニューが豊富なお店を選ぶ

コーティングのメニューが豊富な店舗を選ぶことで、仕上がりの質や予算に合わせて最適なプランを選びやすくなります。たとえば、全国に展開する「キーパーラボ」では、EXキーパーやエコダイヤキーパーなど複数のコーティングメニューを用意しており、施工内容や耐久年数に応じて価格が変動します。

また、レンズや樹脂パーツ専用のオプションも揃っているため、必要な箇所だけを選んで施工できるのもメリットです。このように選択肢が多い店舗であれば、コスト重視か品質重視かといった希望に応じたコーティングが可能となり、結果的に費用対効果の高い施工が期待できます。

バイクコーティングの費用は「安いほどお得」は間違い

バイクコーティングの費用は「安いほどお得」は間違い

バイクコーティングは、価格が安いほどお得に見えますが、極端に安い施工は注意が必要です。低価格の背景には、品質の低い溶剤の使用や、重要な下地処理を省略している可能性があります。もちろん、コストを抑えながら質を維持しているお店もありますが、作業工程に大差がない以上、相場を大きく下回る料金には無理があります。

一方で、高価格帯の施工は、高性能な溶剤や専用設備、保証やアフターサービスが充実している傾向があります。価格だけでなく、施工内容やサポート体制まで確認することが大切です。

工場見学予約フォームのバナー

バイクコーティング費用も含めた優良な施工店を見つけるポイント

バイクコーティング費用も含めた優良な施工店を見つけるポイント

高品質なバイクコーティングを体感するためには、お店選びがとても重要です。専門店といっても、必ずしも技術力や設備環境が十分とは限らず、仕上がりに差が出ることもあります。

施工費用だけで判断せず、安心して任せられる店舗を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。ここでは、優良な施工店を見つけるための判断材料をご紹介します。

バイクコーティングの施工実績が豊富にある

施工店を選ぶ際は、バイクコーティングの実績がどれくらいあるかを確認することが重要です。カーコーティングの経験が豊富でも、バイクへの施工技術とは異なるため、バイクに特化した事例がどれだけあるかが判断材料となります。

実績紹介ページで、施工の流れや作業のこだわりが詳しく掲載されているお店であれば、施工に対する丁寧さや信頼性も期待できます。また、掲載されている写真から、店内の整理状況や設備の有無もチェックしてみましょう。反対に、施工後の写真だけを載せて詳しい説明がない店舗については、実際に問い合わせて確認するなど慎重な対応が必要です。

専用機材や設備が整っている

バイクは車と異なり、エンジンや配線、ホイールまわりなどがむき出しになっているため、細かな部分まで対応できる施工環境が求められます。施工店を選ぶ際は、下地処理に使うポリッシャーや、狭い箇所にも均等に施工できるスプレーガンなど、バイクに適した機材を使用しているかを確認しましょう。

さらにコーティング剤を完全硬化させるには、熱乾燥による硬化が必要なこともあるため、専用の乾燥ブースがある店舗ならより安心です。作業空間がきちんと分かれているなど、設備面の配慮が行き届いているかどうかも、施工品質を見極めるポイントになります。

保証やアフターサービスが充実している

施工後のトラブルを防ぐためには、保証制度の有無やその内容も事前に確認しておきたいポイントです。施工ミスや不具合が発生した場合、保証書がなければ再施工が自己負担となるケースもあります。また、コーティングの効果を長く保つには、定期的なメンテナンスも欠かせません。

そのため、施工後の状態に応じたメンテナンスプランを提供しているかどうかは、店舗の信頼性を測るうえで大切な基準です。一方で、保証の内容が曖昧だったり、明確な説明がない店舗には注意が必要です。契約前に内容をきちんと確認し、不安な点は必ず質問しておきましょう。

利用者の評判や口コミの内容

優良な施工店を見つけるうえで、実際の利用者からの評価や口コミは有力な判断材料となります。費用や仕上がり、スタッフの接客対応、アフターフォローの質など、店舗の特徴を幅広く把握できます。

GoogleレビューやSNSなど第三者が投稿する情報は、店舗側の返信対応も確認でき、信頼性や誠実さを見極める参考になります。ただし、中には事実と異なる投稿や極端な意見が混ざっていることもあるため、内容をすべて鵜呑みにせず、あくまで参考情報として複数の声を見比べる姿勢が大切です。

関連記事::バイクコーティングは専門店がおすすめ!失敗しないお店選びのポイントと優良施工店を紹介

バイクコーティング費用を理解したうえで優良なお店で施工しよう

バイクコーティング費用を理解したうえで優良なお店で施工しよう

バイクコーティングの費用は、車体のサイズや選ぶコーティング剤の種類によって大きく変わります。その内訳には、下地処理や塗布作業に必要な機材、使用する溶剤、専用ブースの使用料などが含まれています。市販の製品を使って自分で施工することで、費用を抑えることも可能です。

また、キャンペーンの活用や部分施工、コースの選び方によってもコストは調整できます。ただし、価格の安さだけに注目するのは危険です。施工実績や設備環境、保証制度や口コミなどもあわせて確認し、信頼できるお店を選ぶことが後悔のない施工につながります。

要望に合ったコーティングでバイクライフを楽しみましょう。

お問合せフォームのバナー

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。