
近年、コーティング剤の性能向上や施工技術の進化により、バイクコーティングを扱うお店が増えてきており、実際に施工する人も年々増加しています。防汚性能や紫外線からの保護効果により、愛車を美しい状態で維持しやすくなり、施工後の艶も魅力のひとつです。
一方で、「本当に必要なのか」「こまめに洗車すれば十分ではないか」と迷う方も多いでしょう。この記事では、バイクコーティングをする場合としない場合の違いや、期待できる効果、費用とのバランスまでを分かりやすく解説します。
【結論】バイクを美しい状態で維持するためにはバイクコーティングが必要
はじめに結論をお伝えすると、バイクをワンランク上の美しさで維持したい方には、コーティング施工が必要です。洗車だけでもきれいにはなりますが、こまめな手入れが欠かせませんし、防汚性能がないため少しの雨風でもすぐに汚れてしまいます。さらに、洗車のたびに細かな線傷が付きやすく、塗装の色あせにつながるケースも見られます。
一方でコーティングを施しておくと、表面に強固な被膜が形成され、汚れの固着を防いでくれます。撥水効果によって水分と一緒に汚れが流れ落ちるため、ふだんからきれいな状態を保ちやすくなります。洗車時も汚れが落ちやすく、軽い水洗いで済むことが多くなります。さらに、紫外線や摩擦による劣化も抑えられ、見た目の美しさが長く続きます。
バイクコーティングの必要性
前述の通り、ワンランク上の美しさでバイクを維持するにはバイクコーティングが必要といえます。とはいえ施工経験がない場合、普段のバイクライフでどのような違いがあるのか、具体的にイメージできないという方もいるでしょう。ここでは、コーティングをしなかった場合とした場合で、どのような差が出るのかを紹介します。
バイクコーティングをしなかった場合
コーティングをしていないバイクは、雨や砂埃の影響を受けやすく、すぐに汚れてしまいます。さらに、汚れが塗装面に染み込みやすいため、洗車してもなかなか落ちず、時間も手間もかかります。紫外線や酸性雨によるダメージも直に受けやすく、色あせやくすみは多くの人が悩む現象です。
加えて、洗車時の摩擦で細かな傷がつきやすくなり、見た目が少しずつ悪くなってしまいます。その結果、きれいな状態を保とうとすると洗車の頻度が増え、専用のケア用品も必要になり、手間だけでなく費用もかさみます。それなら、最初から塗装面をしっかり保護しておいたほうが効率的といえるでしょう。
バイクコーティングをした場合
コーティングを施すことで、汚れがつきにくくなり、洗車の手間が減るなどのメリットが得られます。これらの効果についてはすでに述べたとおりですが、専門店で施工すると、定期的なアフターメンテナンスを受けられる点も大きな魅力です。
メンテナンスでは、コーティング被膜の効果を維持するためのケアや、必要に応じた部分的な磨き直し、補修などもお店で対応してもらえます。初期費用はかかりますが、常に美しい状態をキープしやすく、バイク全体の劣化も抑えられます。結果的に、後々の修復や手入れにかかる時間とコストを減らせるため、長期的にはコスパの良い選択といえるでしょう。
バイクコーティングで得られる効果
「コーティングをするときれいな状態を維持できる」ということ自体は、多くの方がなんとなく知っているかもしれません。ただ、なぜそれが可能になるのか、どんな効果が得られるのかまではイメージしにくいこともあります。ここでは、バイクコーティングによって期待できる具体的な効果を項目ごとに解説していきます。
汚れの固着を防ぎ美しい状態を保ちやすくなる
コーティングとは、ボディ表面に強固な被膜を形成し、その被膜が高い撥水性能を発揮する仕組みです。水分を玉のように弾くことで、汚れが水と混ざって塗装面に留まる前に流れ落ちやすくなります。
特に雨が降ったあと、同じような環境で使われているバイクでも、コーティングの有無で見た目に大きな差が出ます。雨と晴れを繰り返すような天候では、より違いが明確になります。また、汚れが落ちやすいため洗車も手軽になり、ゴシゴシ擦る必要がありません。撥水性によって水分もスッと拭き取れるため、細かな線傷も付きにくくなります。
紫外線や雨風による劣化を防ぎ塗装が長持ちする
コーティングの被膜には、紫外線や薬品に対する耐性が備わっているものが多く、日常的なダメージから塗装を守る働きがあります。紫外線による色あせや、酸性雨による劣化を軽減できるため、青空駐車でも塗装の状態を比較的きれいに保ちやすくなります。
もちろん、完全に防げるわけではありませんが、未施工の車両と比べると経年劣化のスピードに差が出ます。また、耐擦り性能を持つ製品であれば、ちょっとした接触や飛び石によるダメージも受けにくく、各パーツの寿命を伸ばす効果が期待できます。
下地処理により美しい艶が備わる
コーティングはただ塗るだけの作業ではありません。施工時には「下地処理」という工程があり、ここで仕上がりの美しさが大きく変わります。下地処理では、ボディ表面に残った水アカや油分、見えにくい細かな線傷などを専用の機材で丁寧に磨き上げます。これにより、コーティング前の段階からすでに艶やかで滑らかな状態になります。
さらに、その上からコーティング剤を塗布することで、密着力が向上し、深みのある艶が出ます。単にきれいに洗車しただけの状態よりも、はるかに光沢感のある美しい見た目に仕上がります。
バイクコーティングは不要という声がある理由
ここまで、バイクコーティングの効果や施工車と未施工車の違いについて解説してきましたが、一方で「バイクにコーティングは不要」といった声もあります。実際、施工するうえで注意しておきたいポイントがあるのも事実です。ここでは、不要だと感じられる理由と、そう考える背景について解説します。
こまめな洗車だけでもある程度きれいな状態を保てる
バイクコーティングは不要と考える理由として、よく挙げられるのが「こまめに洗車していれば十分」という意見です。確かに、定期的に洗っていればシミもつきにくく、汚れの固着もある程度防げます。丁寧に洗車すれば洗車傷も抑えられるため、時間と手間を惜しまなければ成立する考え方です。
また「コーティングすればお手入れが不要」という宣伝を見かけることもありますが、これは誤解です。コーティングも日々のケアがあってこそ効果を発揮します。ただ一度、コーティング車の洗車を体験すると、そのラクさに驚く人は多く「もう一般的な洗車には絶対に戻れない」という声も少なくありません。
DIY商品で自分でも施工できる
コーティングの効果そのものは魅力的でも「専門店でやるほどではない」と考える方もいます。近年はDIY向けの商品も充実しており、知識や技術がなくても手軽に施工できるようになっています。費用も抑えられるため、「まずは効果を試してみたい」「できるだけコストをかけたくない」という方にはDIY施工が合っているでしょう。
ただし、専門店であれば徹底した下地処理が施され、専用の設備や機材を使って細部まで丁寧に仕上げてもらえます。とくに複雑な形状や隙間の多い部分は、DIYでは難しい施工となるため、美しさや耐久性を重視するならプロの技術に頼るのが安心です。ただ、どの専門店でも仕上がりが保証されるわけではなく、お店選びも重要なポイントになります。
効果に対して施工費用が高い
コーティングの効果や美しさは認めつつも「それにしても高すぎる」という声も一定数あります。しかし、費用が高くなる背景には理由があります。専門店では、DIYでは対応しきれないレベルの下地処理が行われ、専用のスプレーガンを用いた均一な塗布や、乾燥ブースを使った確実な定着作業などが含まれています。
また、使用する溶剤も耐久性や仕上がりに優れた高品質なものが多く、施工後のアフターサポートが整っています。初期費用はかかりますが、長期的に見れば洗車や再施工にかかるコストと手間を抑えられるため、結果的にはコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
費用の高さが気になる場合はポリマーコーティングがおすすめ
バイクコーティングを体感してみたいけれど、費用がネックという方には「ポリマーコーティング」がおすすめです。現在はガラスやセラミックタイプが主流となっていますが、ポリマータイプも一定の人気があります。ポリマーコーティングとは、樹脂を主成分としたコーティングで、比較的柔らかい被膜を形成するのが特徴です。
耐久性はやや劣りますが、独特のヌルっとした艶感があり、あえてこれを好んで選ぶ人も少なくありません。また、価格も比較的手ごろで、DIYなら数千円程度、専門店でも2〜3万円前後で施工できるケースが多く、はじめてのコーティング体験として選びやすいです。
関連記事:バイクコーティングの費用は?専門店と自分で施工する場合の料金差と安く抑えるコツを解説
バイクコーティングで後悔しないためには「お店選び」が特に重要
品質を最優先にしたい場合は、専門店での施工をおすすめします。ただし、どの専門店でも高品質な施工が受けられるとは限りません。仕上がりを大きく左右する下地処理には、専門的なスキルだけでなく、専用の機材や設備も必要です。
なかには簡単な作業しか行わず、温度や湿度の管理が不十分な環境で施工しているお店もあります。また、施工後のアフターケアや保証がほとんど用意されていないケースもあるため注意が必要です。
バイクコーティングで後悔しないためには、事前の情報収集が欠かせません。設備や施工事例、利用者の口コミ、そしてアフター対応の有無などをチェックし、信頼できる店舗を選びましょう。
関連記事:バイクコーティングは専門店がおすすめ!失敗しないお店選びのポイントと優良施工店を紹介
バイクコーティングをした方がいい人
バイクコーティングは、愛車をきれいな状態で保ちやすくなる手段ですが、誰にとっても最適とは限りません。実際に施工して満足する人がいる一方で、期待したほどではなかったという声もあります。ここでは、どんな人がコーティングの効果を実感しやすいのか、向いているタイプの特徴を紹介します。
圧倒的な美しさを楽しみたい人
バイクの見た目にとことんこだわりたい方には、バイクコーティングがおすすめです。特に専門店での施工は、下地処理によって細かな傷やくすみをしっかり整えたうえでコーティング剤を塗布するため、塗装の輝きが際立ちます。こまめな手入れを続ければ、その艶やかな美しさも長く保ちやすくなります。
また、被膜が劣化してきた場合も、専門店のメンテナンスで補修や再施工が可能です。とくに中古バイクで、細かな傷やシミが目立っている場合でも、プロの手にかかれば新車のような状態に近づけることもできます。見た目重視の方には、まさに最適です。
日頃のお手入れを楽にしたい人
洗車や拭き上げなど、日常的なバイクの手入れが負担に感じている方にも、コーティングはおすすめです。施工では、表面の不純物を取り除いたあと、専用の溶剤を使って強固な被膜を形成します。この被膜によって汚れの固着が抑えられ、ちょっとした泥汚れやホコリなら水を強めにかけるだけでも簡単に落とせるようになります。
ブロワーなどを使えば、水滴の拭き取りもスムーズで、手間をかけずに仕上がります。また、専門店の定期メンテナンスでは普段手が届かない細かい部分までしっかりケアしてもらえるため、楽にきれいな状態を維持したい人には特に向いています。
長く乗り続ける予定の人
長く同じバイクに乗り続ける予定がある方にも、コーティングは有効です。時間の経過とともに紫外線や雨風、洗車時の摩擦などで塗装は徐々に劣化していきますが、コーティングをしておけば、これらのダメージを大幅に軽減できます。
とくに耐久性を重視する場合は、セラミックタイプのコーティングがおすすめで、高価格帯ではありますが保護力や艶の持続性は非常に優れています。製品によっては5年保証がついているものもあり、長期間にわたって美観をキープできるのが大きな魅力です。バイクを長く大切にしたいと考えるなら、早めの施工をおすすめします。
バイクコーティングをしない方がいい人
バイクコーティングは、愛車をきれいな状態で保つための方法ですが、日常的に乗るうえで必須というわけではありません。ライフスタイルやバイクとの付き合い方によっては、施工が向かないケースもあります。ここでは、バイクコーティングがあまりおすすめできない人の特徴について紹介します。
お手入れを全くしない人
バイクコーティングは高い保護力がありますが、汚れやシミを完全に防げるわけではなく、被膜自体も時間とともに劣化していきます。「コーティングをしたからもう手入れしなくていい」と考えるのは誤解です。まったく洗車をしないままだと、被膜が劣化しやすく、駐車環境によっては半年ほどで効果が薄れてしまうケースもあります。
そうなると、せっかく施工してもコストに見合わなくなり、見た目も維持できません。使用頻度にもよりますが、コーティングの効果を保つには、屋外保管なら1~2週間に1回、屋内保管でも2~3週間に1回程度の洗車が理想とされています。お手入れを全くしないつもりであれば、コーティングはおすすめできません。
移動手段として使っており美しさにこだわりがない人
バイクを移動手段として使っており、見た目に特別なこだわりがない方には、コーティングの必要性はあまり感じられないかもしれません。コーティングによってスピードや性能が向上するわけではないため、外観を重視しない人にとっては、施工後の変化に気づきにくく、魅力を感じづらい可能性があります。
ただし、長く乗り続ける予定があるなら、コーティングによって紫外線や雨風から各パーツを守ることができ、劣化の進行を抑える効果もあります。必要な部分だけを保護する「部分施工」も可能なので、最低限の保護だけを目的とする選び方も検討できます。
すぐに乗り換える予定の人
近いうちにバイクを手放す予定がある場合は、高額な費用をかけてコーティングを行う必要はないかもしれません。数年単位で効果を発揮する施工が多いため、すぐに乗り換える前提であれば、費用対効果が見合わなくなります。
とはいえ、「一時的でもきれいな状態を保ちたい」という場合には、ポリマータイプの簡易コーティングやDIY商品を使ってみるのもひとつの方法です。また、バイクをきれいな状態に保っておくことは、売却時の査定額にも影響します。そのため、最低限の外観維持だけでも意識しておくと、後々損をせずに済むかもしれません。
バイクコーティングの必要性を理解したうえで施工を検討してみよう
バイクコーティングには、防汚性能や紫外線からの保護といった効果があり、愛車をきれいな状態で維持しやすくなります。そのため、見た目も含めてバイクライフを楽しみたい方にとっては、非常におすすめです。もちろん、「洗車だけでも十分」といった声もありますが、手間や時間を考えると、コーティングの効果を実感する人は多くいます。
費用を最優先に考えるなら、DIYやポリマーコーティングという選択肢もあります。見た目にこだわりたい方や、長く乗り続けたい方にはガラスコーティングやセラミックコーティングが合っています。一方で、まったくお手入れをしない方や、すぐに手放す予定がある方には向かない場合もあります。バイクに対する理想や、普段感じている悩みと照らし合わせながら、コーティング施工を検討してみましょう。
当店では、バイク向けにセラミックコーティングを取り扱っており、施工機材・設備ともに国内最高水準の環境を整えています。関東全域から多くのご依頼をいただいており、実績も豊富です。施工に関するご相談は、どうぞお気軽にご連絡ください。

著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。