プロテクションフィルムの価格を徹底解説|施工部位・車種別の相場とメーカー別比較のアイキャッチ画像

プロテクションフィルムとは、車のボディ表面に透明のフィルムを貼ることで、高い保護性能を発揮する施工です。厚みはガラスコーティングの約150倍以上にもなり、物理的なダメージをしっかり防いでくれます。

その一方で、施工価格はカーコーティングよりも高額になりがちです。ただし、施工範囲を絞った部分施工や、フィルムの種類を選ぶことでコストを抑えられます。この記事では、施工部位ごとの価格相場、車種別の施工例、メーカー別の特徴と価格帯について詳しく解説します。

プロテクションフィルムの施工価格はメーカーと施工範囲で決まる

プロテクションフィルムの施工価格はメーカーと施工範囲で決まる

プロテクションフィルムには複数のメーカーがあり、フィルムの性能やブランドによって価格に差があります。また、施工の際には車の形状やサイズ、曲面の多さによって作業難易度が変わり、価格にも影響します。

フィルムは一枚で貼るわけではなく、車種や施工部位ごとにカットして貼り付けるため、必要な部分だけを保護する部分施工も可能です。さらに、カラーフィルムやスモークフィルムといったタイプもあり、施工部位やフィルムの種類によって価格が異なります。

プロテクションフィルムの施工箇所と施工価格

プロテクションフィルムの施工箇所と施工価格

プロテクションフィルムは、車種ごとに専用のカットデータが用意されており、フルプロテクションだけでなく、希望する部位のみを選んで施工することも可能です。ただし、対応できる施工箇所はお店によって異なり、すべての部位に自由に施工できるわけではありません。

ここでは、専門店・カービューティーアイアイシーの施工メニューを参考に、各施工箇所の価格を紹介していきます。

ヘッドライト部分の施工価格

ヘッドライト・テールランプ専用のペイント保護フィルムには、2種類の濃さがあり「ライトスモーク」と「ダークスモーク」から選べます。施工することで、飛び石や虫の死骸だけでなく、酸性雨や紫外線による劣化からもヘッドライトを保護できます。トップ層には疎水処理が施されており、防汚性にも優れたフィルムです。

ヘッドライト・テールランプ:スモークペイント保護フィルム料金

2灯タイプ:77,000円(セット価格66,000円)
4灯タイプ:99,000円(セット価格88,000円)

※カーフィルムと同時施工した場合、セット価格が適用となります。
※プロテクションフィルム(フロントセットやフル施工)と同時施工の場合は単品価格の50%引きです。

関連記事:プロ直伝!プロテクションフィルムで実現するヘッドライト保護完全ガイド

フロントバンパー部分の施工価格

フロントバンパーは走行中に飛び石や泥はねを直接受けやすく、最も傷が付きやすいパーツのひとつです。また、低い位置にあるため、縁石や駐車時の擦り傷も起こりやすくなっています。プロテクションフィルムを施工することで、こうした物理的ダメージからバンパーをしっかり守れて、塗装面の劣化や修理費用のリスクを大幅に軽減できます。

主な車種のフロントバンパー施工価格

・ポルシェ911ターボS:205,100円
・ランボルギーニSVJ:277,500円
・フェラーリ296GTS:240,900円
・メルセデスベンツ:Sクラス:255,500円
・ベントレーBentayga V8:242,500円
・マセラティレヴァンテ:218,600円

※XPELフィルムの施工料金です。

フロントセット部分の施工価格

フロントセットには、ボンネット、フェンダー、フロントバンパー、ミラー、ヘッドライトが含まれます。車の正面は走行中に受ける飛び石や虫の付着、紫外線によるダメージが特に多いため、これらのパーツをまとめて保護する施工プランが用意されています。広範囲をカバーすることで、ボディ全体の劣化を防ぎやすくなります。

主な車種のフロントセット施工価格

・ポルシェ911ターボS:483,700円
・ランボルギーニSVJ:561,500円
・フェラーリ296GTS:524,600円
・メルセデスベンツ:Sクラス:557,900円
・ベントレーBentayga V8:601,600円
・マセラティレヴァンテ:573,100円

※XPELフィルムの施工料金です。

ボンネット部分の施工価格

ボンネットは走行中に飛び石や砂利、虫の付着を最も受けやすいパーツのひとつです。さらに、紫外線による色あせやクリア剥がれといったダメージも進行しやすく、塗装面の劣化リスクが高い箇所です。プロテクションフィルムを施工することで、物理的ダメージを防ぐと同時に、紫外線からの影響を軽減し、美しい外観を長く保てます。

主な車種のボンネット施工価格

・ポルシェ911ターボS:208,400円
・ランボルギーニSVJ:178,000円
・フェラーリ296GTS:247,300円
・メルセデスベンツ:Sクラス:244,400円
・ベントレーBentayga V8:235,300円
・マセラティレヴァンテ:246,100円

※XPELフィルムの施工料金です。

ルーフ部分の施工価格

ルーフは車体の中でも常に直射日光や雨風にさらされ、紫外線や酸性雨によるダメージを受けやすい部分です。プロテクションフィルムを施工することで、塗装の色あせや劣化を防ぎ、美観を長期間維持できます。

また、当店ではサンルーフやムーンルーフといった天井部のガラス面専用のプロテクションフィルムも用意しています。コーティング剤では防ぎきれなかった水滴シミや汚れの付着を抑え、圧倒的な防汚性と耐久性を発揮します。

主な車種のルーフ施工価格

・ポルシェ911ターボS:166,700円
・ランボルギーニSVJ:265,100円
・フェラーリ296GTS:118,800円
・メルセデスベンツ:Sクラス:‐円
・ベントレーBentayga V8:165,300円
・マセラティレヴァンテ:208,000円

※XPELフィルムの施工料金です。

ルーフガラス用プロテクションフィルムは、赤外線を約29%、紫外線を約97%カットする性能を備えています。さらに、自己修復機能があり、洗車などで付いた細かい線傷も目立ちにくくなっています。耐久性は使用状況にもよりますが、おおむね約7年程度とされています。普段のお手入れは、通常通りの洗車や水拭きで問題ありません。

ルーフガラス専用プロテクションフィルム施工価格

・50cmまで :輸入車・83,600円  国産車・72,600円
・100cmまで:輸入車・107,800円  国産車・96,800円
・150cmまで:輸入車・132,000円  国産車・121,000円
・150cm以上:輸入車・154,000円  国産車・143,000円

ロッカーパネル部分の施工価格

ロッカーパネルは車体側面の下部に位置し、走行中に跳ね上げられる砂利や泥、雨水などを直接受けやすい箇所です。飛び石や傷だけでなく、冬場には融雪剤による腐食リスクも高く、ボディコーティングでは防ぎきれない可能性があります。

プロテクションフィルムを施工することで、塗装面の劣化や錆びの発生を防ぎ、車両のコンディションを良好に保つことができます。

主な車種のルーフ施工価格

・ポルシェ911ターボS:219,400円
・ランボルギーニSVJ:342,300円
・フェラーリ296GTS:156,400円
・メルセデスベンツ:Sクラス:‐円
・ベントレーBentayga V8:186,700円
・マセラティレヴァンテ:215,200円

※XPELフィルムの施工料金です。

メッキ・モールの施工価格

メッキモール専用のプロテクションフィルムは、欧州車や輸入車に多いメッキモールの腐食を防ぐために開発された製品です。従来のコーティング剤と違い、3年以上の耐久性があり、長期間メッキ表面をしっかり保護できます。

フィルムは自然なメッキ色を再現し、貼っていることが目立たない仕上がりが特徴です。簡単に剥がすこともできるため、売却時にも安心です。一度劣化したモールの再腐食を防ぐには、フィルム施工が有効な対策となります。

メッキ・モールの施工価格

・ドアモール上or下: 55,000円~(16,500円)
・ドアモール上下セット: 88,000円~(22,000円)
・ルーフレール :132,000円~(22,000円)

※()内は、メッキモールコーティングの価格です。

フルプロテクション部分の施工価格

フルプロテクションは、ボディ全体をプロテクションフィルムで覆う施工プランです。走行中の飛び石や傷、紫外線、汚れといった外的ダメージから車全体をまんべんなく守ることができます。

部分施工と違い、すべてのパネルにフィルムが施されるため見た目に統一感が生まれ、売却時の査定にもプラスに働きやすくなります。施工費用は高額ですが、大切な愛車を長期間きれいな状態で維持したい方に適した方法です。

主な車種のフルプロテクション施工価格

・ポルシェ911ターボS:1,453,200円
・ランボルギーニSVJ:1,770,100円
・フェラーリ296GTS:1,764,300円
・メルセデスベンツ:Sクラス:1,673,700円
・ベントレーBentayga V8:1,833,500円
・マセラティレヴァンテ:1,792,500円

※XPELフィルムの施工料金です。

カラープロテクションフィルムの施工価格

カラープロテクションフィルムは、グロスカーボンやグロスブラックなどの種類があります。通常のプロテクションフィルムと同様に約150μの厚みがあり、飛び石やスクラッチ傷をしっかり軽減します。

さらに、紫外線に強く、白ボケや劣化が起こりにくいのが特徴です。グロスカーボンタイプは、本物のカーボンのような自然な仕上がりを実現し、グロスブラックタイプは高い透明度と深みのある光沢で塗装のような美しさを再現します。従来のラッピングフィルムより耐久性に優れ、長期間美観を保てます。

施工箇所 グロスカーボン グロスブラック
ルーフ 184,800~502,000円 158,400~422,000円
ボンネット 158,000~317,000円 132,000~264,000円

料金はサイズによって異なり、凹凸があるような場合は、別途費用が発生することもあります。

プロテクションフィルム専用コーティングの施工価格

SCHILD PPFコーティングは、プロテクションフィルムやラッピングフィルム施工後に専用のコーティング被膜を形成する施工メニューです。フィルムは紫外線や熱によって白濁や光沢低下を引き起こすことがありますが、このコーティングを行うことで劣化を極限まで抑えられます。

耐薬品性能によりフィルムの劣化を防ぎ、紫外線による色あせや白濁も防止。さらに撥水性能により防汚性も向上し、美しい状態を長期間維持できます。

サイズ 基本施工価格 各部位 施工価格
SS 117,040 バンパー 1枚 基本施工価格の15%
S 131,670 バンパー+フェンダー 3枚 基本施工価格の35%
M 146,300 バンパー+フェンダー+ボンネット 4枚 基本施工価格の40%
L 168,250 ボンネット 1枚 基本施工価格の25%
LL 193,480 片側側面 基本施工価格の40%
XL 222,500 フード+トランク+ルーフ 3枚 基本施工価格の40%

プロテクションフィルム施工後のメンテナンス価格

プロテクションフィルム施工後のメンテナンス価格

プロテクションフィルムの保護効果と美観を長期間維持するためには、日常の洗車とは別に、定期的なメンテナンスが欠かせません。カービューティーアイアイシーでも、専用のメンテナンスメニューを用意しています。

作業内容は、洗車、フィルム細部の汚れ落とし、フィルムの浮きチェックとカット、フィルム表面のコーティング処理など、総合的なケアを実施します。各メンテナンスの料金は以下のとおりです。

サイズ スタンダードメンテナンス プレミアムメンテナンス 鉄粉除去(オプション)
SS 18,700円 46,700円 10,200円
S 19,800円 49,500円 10,800円
M 22,000円 55,000円 12,100円
L 25,300円 63,200円 13,900円
LL 27,500円 68,700円 15,100円
XL 29,700円 74,200円 16,300円

※対象となるのはXPELプロテクションフィルムとG.Guardプロテクションフィルムです。

バイク用|プロテクションフィルムの施工価格

バイク用|プロテクションフィルムの施工価格

プロテクションフィルムは車だけでなく、バイクにも施工可能です。国内で注目されているのが「Fenix Scratch Guard」で、塗装の上に130~200μm以上のスクラッチガードクリアをスプレー施工し、飛び石や擦り傷などのダメージを大幅に軽減します。

スプレー方式のため、複雑な曲面や細部にも均一に塗布でき、バイク特有の形状にもフィットします。傷が付いてもポリッシャーで研磨して艶を復活させることが可能です。主な施工箇所はタンク、フェンダー、フロントカウル、シートカウル、サイドカウルです。施工価格はお店や車種によって異なります。おおよその相場は以下のとおりです。

バイク用プロテクションフィルムの施工価格
・タンク:6万円前後
・フェンダー:4万円前後
・フロントカウル:6万円前後
・シートカウル:4万円前後
・サイドカウル:4万円前後※Fenix Scratch Guard取扱店舗の料金を参考にしています。

参考:Fenixスクラッチガード|SOFT99

プロテクションフィルムを自分で施工した場合の施工価格

プロテクションフィルムを自分で施工した場合の施工価格

近年はDIY向けのプロテクションフィルムも多く販売されており、特定の車種用にカットされたものや、メーター単位で切り売りされるものが一般的です。種類によりますが、安価なフィルムなら1,000~2,000円、有名メーカー製品では1メートルあたり1万円前後が相場です。

施工に必要なスキージーなどの専用道具も1,000~2,000円程度で揃えられます。安価な製品であれば、1か所あたり1万円以内で施工できるケースもあります。ただし、施工範囲が広くなると難易度が上がり、施工環境も影響するため、無理な施工は塗装を傷めるリスクがあります。状況に応じて専門店への依頼も検討しましょう。

国内の主なプロテクションフィルム施工メーカー

国内の主なプロテクションフィルム施工メーカー

プロテクションフィルムには複数のメーカーがあり、それぞれに特徴や施工価格に違いがあります。ここでは、国内の専門店で広く採用されている主要メーカーを紹介し、フィルムごとの特徴や選び方のポイントを解説します。

XPEL|自己修復機能と高耐久性で高級車オーナーに人気

XPELの「アルティメットプラス」は、飛び石やキズから塗装面を守る高性能プロテクションフィルムです。独自のフィルム素材配合により、フィルムを貼ったことがわからないほどの高い透明度を誇ります。

また、紫外線による変色がなく、一般的なラッピングフィルムの耐用年数が1~3年に対し、XPELは5~10年という長期間にわたり透明度と美観を維持します。さらに、自己修復機能やセラミックコーティングによる高い疎水性も備えており、日常の洗車やメンテナンスも容易です。高級車オーナーから厚い信頼を得ている、トップクラスの品質を誇るフィルムです。

3M|柔軟性と透明度のバランスに優れたスタンダードな定番製品

3Mの「スコッチガード™ ペイントプロテクションフィルム プロシリーズ」は、飛び石や擦り傷、汚れなどから塗装表面を保護する高性能フィルムです。

コーティングのような光沢感を持つグロスタイプと、マットな仕上がりのマットタイプがあり、自動車のデザインや色彩を維持する圧倒的な透明度を誇ります。さらに、紫外線カット機能や高い耐久性、メンテナンスの容易さ、軽微な傷を消失させる自己修復機能も備えています。​

STEK|光沢感と撥水性に優れた、見た目重視のプレミアムブランド

STEKのプロテクションフィルムは、豊富なカラーバリエーションと高い施工クオリティを誇ります。超疎水性・撥水性があり、イージーメンテナンスが可能です。洗車機や日常使いの小さなかすり傷などは、セルフヒーリング機能で自らきれいに修復されます。

ラインナップには、透明の「ダイノシールド」、人気のマットカラー「ダイノマット」、カーボンファイバーをリアルに立体的再現した「ダイノカーボン」などがあり、見た目重視のユーザーに支持されています。

Avery Dennison|優れた耐候性と薄さが特徴の欧州系高性能フィルム

Avery Dennisonの「シュプリームラッピングフィルム」は、カラー層とクリア保護層の2層から成り、ひときわ高い輝きを放ち、色の鮮やかさや耐久性に優れ、まるで塗装のような仕上がりを実現します。

79色ものカラーバリエーションがあり、光り輝くツヤが特徴のダイヤモンドシリーズや、光の当たり方や見る角度によりダイナミックな色を放つColorFlow™シリーズなど、特徴的なカラーラインアップが自慢です。

関連記事:プロが解説するプロテクションフィルムの種類とおすすめのメーカー2社

プロテクションフィルムで愛車を美しい状態で保とう

プロテクションフィルムで愛車を美しい状態で保とう

プロテクションフィルムは、カーコーティングのおよそ150倍もの厚みを持ち、飛び石や砂利などによる物理的なダメージを大幅に軽減できる高い保護性能を誇ります。塗装の劣化を防ぎ、愛車の美観を長期間にわたって維持できる反面、施工価格はカーコーティングに比べて高めです。

ただし、使用環境や駐車環境に合わせて施工範囲を選べるため、フル施工だけでなく、リスクの高い部分のみを保護する部分施工も可能です。今回紹介した施工価格を参考にしたうえで、最適な方法で愛車を保護しましょう。

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。