車の虫取りについて効果的な方法とおすすめの対策4つのアイキャッチ

車に乗っていれば、一度は虫の付着に悩んだ経験があるはずです。特に夏の夜に高速道路を走ると、フロント周りに大量の虫が付いてしまいます。すぐに洗えば落ちやすいですが、時間が経つとと固まって取りづらくなります。

無理にこするとボディに傷がついたり、虫の成分が原因でシミになったりすることもあるため注意が必要です。この記事では、車に付いた虫取りの方法やおすすめのクリーナー、付着を防ぐための対策についてわかりやすく紹介します。

【当記事でわかる事】
・車に付いた虫の取り方
・車に付いた虫を家にあるもので落とす方法
・車に付いた虫をアルカリ電解水で落とす場合の注意点
・車の虫取りにおすすめのクリーナー
・車に虫を付けないためのおすすめ対策4つ
・車の虫取りに関するよくある質・

車に付いた虫の取り方

車に付いた虫の取り方について解説するイメージ

冒頭でも触れたように、虫は時間が経つと乾いてボディに固着します。虫が小さい分スポンジでは取りにくく、無理にこすると傷の原因になります。また、虫の成分によって塗装がシミになる恐れもあるため、できるだけ早めに落とすことが大切です。ここでは、車を傷つけずに虫を取り除く正しい方法を紹介します。

1. 大量の水をかけてできるだけふやかす

虫だけに限らず、車に付着した汚れを洗い流す際には「最初に大量の水をかけて汚れをできるだけ洗い流す」ことが基本です。
洗車する場合は上から下の順に水をかけていきますが、鳥フンや虫などを取り除く場合は、その箇所だけに水をかけるだけで問題ありません。

明確な時間はないものの、できるだけ強めに水をかけて、こすらずに浮いた汚れだけを落とすのが理想です。温水や高圧洗車機があるとより効果的です。高圧洗浄機を使用する場合は、付着箇所から必ず20~30センチは離して使用しましょう。近づけすぎると塗装が剥がれるリスクがあります。虫取りではこの工程が一番大事で、車を傷つけずに落とすための基本になります。

2. 範囲を限定してシャンプーで洗う

水を強めにかけ続けて虫をふやかした後は、残った虫汚れをシャンプーで洗いながら落としていきます。
ボディに付着している場合は、通常の洗車用スポンジで優しく洗って落とし、力を入れたり、指を立てて一ヵ所に力が集中するように洗ったりするのはやめましょう。

車のグリル部分(フロント中央のメッシュ状になった空気取り込み口あたり)はスポンジだと洗いにくいため、洗車用の筆ブラシを使うのがおすすめです。100均などでも使えるブラシが販売されています。ブラシはその後の洗車にも使えますが、ホイールのように砂が多い場所とボディでは使い分けないと傷の原因になるため、注意しましょう。

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3. マイクロファイバーで水分を拭き取る

洗い終わった後は、通常の洗車と同じようにマイクロファイバークロスで拭き取ります。一般的なタオル生地は傷の原因になるので使わないようにしましょう。
このマイクロファイバークロスも100均などで手軽に手に入ります。細かいグリル部分は、家庭用のブロワーがあると水分を飛ばしやすく、隙間に残った汚れまでしっかり取り除けるため便利です。

鳥フンなども基本的にはこの工程がもっとも効果的です。いきなりウェットシートなどで拭き取る人もいますが、フンなどに含まれる細かい砂が原因で傷になる可能性があるため絶対にやめましょう。とにかく固着した汚れは、最初にしっかり水をかけて、ふやかしながら落とすのが大切です。
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車に付いた虫を家にあるもので落とす方法

車に付いた虫を家にあるもので落とす方法について解説するイメージ

一般的な虫の取り方を紹介しましたが、洗車セットを持っていない方もいるのではないでしょうか。そのような場合でも、家にあるものを活用して虫を落とせます。
たとえば、60℃前後のお湯にマイクロファイバータオルを浸し、虫が付着した部分にしばらく置いておくと、蒸気の効果でふやけやすくなります。ただし熱湯は塗装を傷める可能性があるため使わないようにしましょう。

ほかにも、大量の水でふやかした後に中性の食器用洗剤を泡立てて優しく拭き取る方法も効果的です。界面活性剤の働きで虫の成分が浮きやすくなります。
また、ドライヤーシートを水で濡らして虫の上に当て、やわらかくしてから拭き取る方法もおすすめです。どれも応急的な対処にはなりますが、専用道具がなくても十分対応できます。

車に付いた虫をアルカリ電解水で落とす場合の注意点

車に付いた虫をアルカリ電解水で落とす場合の注意点について解説するイメージ

虫の取り方として「アルカリ電解水」を使う方法がネット上でもよく紹介されています。
アルカリ電解水はアルカリ性で、虫の体液など酸性の汚れを浮かせて落としやすくする効果があります。
水を電気分解して作られており、界面活性剤などは含まれておらず、スプレータイプの製品はホームセンターや無印良品などで手軽に購入できます。

使い方:まず水で虫をしっかりふやかした後に電解水をスプレーし、数十秒ほど置いてからクロスでやさしく拭き取る
注意点として:濃度が高いと塗装やコーティングに悪影響を与えるおそれがあります。

特にコーティング施工車は慎重に扱うべきで、原液ではなく薄めて使うか、心配なら使用を避けましょう。
コーティング施工車向けに調整されたアルカリ性のシャンプーも販売されているので、そちらを使えばより安全です。

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車の虫取りにおすすめのクリーナー

車の虫取りにおすすめのクリーナーを紹介するイメージ

ここまで洗車による虫の落とし方を紹介してきましたが、実は虫取り専用のクリーナーも市販されています。
夜に郊外を走る機会が多く、虫の付着が頻繁に気になる方には特におすすめです。また、定期的なお手入れをラクにしたい場合にも役立ちます。

ここでは、使いやすさやと効果性の面で評価の高い2つのクリーナーを紹介します。

コーティング専門店の虫とりクリーナー

コーティング専門店の虫とりクリーナー


コーティング専門店の虫とりクリーナー|KeePer公式オンラインショップ

KeePerが販売する「コーティング専門店の虫とりクリーナー」は、頑固な虫汚れや鳥のフンをしっかり落としつつ、コーティングを傷めない処方が魅力です。特殊な浸透剤を使っており、虫の死骸をふやかして塗装を傷つけずに落とせるのが大きな特長です。

コーティング施工車でも安心して使えるように作られており、窓のはっ水剤やボディのコーティングを落とす心配もありません。使い方は、まず車全体の砂やホコリを水で洗い流し、虫が付着した箇所にスプレーします。10〜15秒ほど放置してから、きれいなスポンジやマイクロファイバークロスで軽く拭き取りましょう。

一度に広範囲に使うのではなく、数カ所ずつ仕上げていくのがコツです。液が乾く前に水でよく流し、拭き取りまで丁寧に行うことで、仕上がりもきれいになります。風のない曇りの日や日陰での作業がおすすめです。

虫取りボディクリーナー インセクトリムーバー

SONAX インセクトリムーバー

虫取りボディクリーナー インセクトリムーバー|晴香堂

SONAXの「インセクトリムーバー」は、ドイツ製の虫取り専用クリーナーで、高い洗浄力とやさしさを両立したアイテムです。弱アルカリ性で、虫がこびりついたボディやガラスに浸透・分解してしっかり浮かせて落とします。コーティング施工車にも対応しており、ワックスやコート剤を落とさず使えるのも安心ポイントです。

使用前に車体の砂や泥を洗い流し、虫が付いている箇所にスプレーして1分ほど放置します。その後、水でよくすすぐか、スポンジなどで軽くこすってから流すと、頑固な虫汚れもスムーズに除去できます。成分が乾く前にしっかりすすぐのがポイントです。

使用時は通気の良い場所で行い、肌が弱い方は保護手袋の着用が推奨されています。ガラス・バンパー・ヘッドライトなどにも使える汎用性の高さも魅力です。

日頃のお手入れなら簡易シートもおすすめ

日頃のお手入れなら簡易シートもおすすめであることを解説するイメージ

車のお手入れといえば洗車が基本ですが、虫の付着や鳥フンなど、一部分だけの汚れが目立つ場面も少なくありません。そんなときに役立つのが、車専用の簡易シートです。

一般的なウェットシートではなく、塗装やコーティングに配慮した成分で作られており、保管しておくことで必要なタイミングで手軽に使えます。ここでは、使い勝手の良い人気の2種類を紹介します。

フクピカ ボディクリーナー

フクピカ ボディクリーナー

フクピカ ボディクリーナー|SOFT99

フクピカ ボディクリーナーは、水アカや雨ジミを拭くだけで落とせるシートタイプのクリーナーです。洗浄成分と光沢ポリマーが含まれており、汚れを抱き込む特殊なシート構造によって、引きずりキズを防ぎながらボディにツヤを与えます。

使い方は簡単で、ハガキ大に折ったシートでボンネット1枚分を目安に塗り伸ばし、面を変えながら浮いた汚れを拭き取るだけです。仕上げは乾いたタオルでの拭き上げも推奨されています。コーティング前の下地処理としても使え、目立たない場所で確認すれば再塗装車でも使用可能です。

クルマどこでもWet

クルマどこでもWet

クルマどこでもWetは、車内外のあらゆる汚れに対応できる多用途タイプのウェットシートです。
独自の洗浄液と吸着性の高いメッシュ構造のシートにより、ボディやホイールの汚れはもちろん、窓ガラスや内装、手垢やヤニ汚れまでしっかり拭き取れます。

除菌・防カビ成分が配合されており、使ったあとは清潔感が長続きするのも特長です。使い方は、汚れたら面を変えながら軽く拭き、強くこすらずに仕上げるだけ。本革シートには使えませんが、ダッシュボードやプラスチック類にはやさしく拭けば対応できます。シートが乾かないように保管するのが長持ちのコツです。

車に虫を付けないためのおすすめ対策4つ

車に虫を付けないためのおすすめ対策4つについて解説するイメージ

車に付着した虫の取り方を紹介してきましたが、虫の付着自体を防ぐ方法や、付着しても塗装にダメージを与えない工夫もあります。普段の使用環境や走行条件によって、効果的な対策は変わってくるため、状況に合った方法を選ぶことが大切です。ここでは、虫から車を守るための4つの対策について解説します。

ガラスコーティングを施工する

ガラスコーティング施工後の日産フェアレディZ

愛車を汚れや細かなキズから守るうえで、ガラスコーティングは欠かせない存在です。ボディ表面に硬く強い被膜を形成し、撥水効果によって虫の付着や汚れの固着を防ぎます。さらに、耐擦り性能によって細かい線キズも入りにくくなります。

虫が付いても落としやすく、普段のお手入れがとても楽になります。加えて、ガラス特有の深い光沢が出るため、美しさを保ちたい人にもおすすめです。
なお、ガラス以上の保護力と光沢を持つ「セラミックコーティング」という選択肢もあります。

【参考記事】
ガラスコーティングはしない方がいいって本当?理由を徹底解説
セラミックコーティングとは?効果,費用,特徴と商品を徹底解説

プロテクションフィルムを施工する

プロテクションフィルム施工中と施工後の写真

プロテクションフィルムは、塗装面に透明な特殊フィルムを貼ることで、物理的なダメージからボディを守る施工です。厚みはガラスコーティングの150倍以上とされ、飛び石や拭き傷、虫の固着によるダメージもしっかりガードできます。虫が付いても厚い膜が塗装へのダメージ浸透を防ぐため、安心です。

必要に応じて、フロントバンパーやボンネット、フェンダーのみなど、部分的な施工も可能です。特にスーパーカーや特殊な塗装を施した車など、補修コストが高い車両では非常に有効で、近年は施工する人も増えてきています。

【参考記事】
プロテクションフィルムとは
プロテクションフィルムとカーコーティングを徹底比較!それぞれの特徴も解説

山道などでスピードを出しすぎない

山道の写真

スピードを出しすぎると、山道に多く飛んでいる虫とぶつかり、ボディに強く固着しやすくなります。虫の付着を減らすためには、速度を抑えることが基本です。目安としては、50km/h以下に抑えて走ることで虫との衝突の頻度や勢いを軽減できます。

実際には、50km/hでも虫が付着することはありますが、高速道路などでの80km/h以上と比べれば、固着の量やダメージは大きく減らせます。また、虫の多い場所では、ライトに引き寄せられやすいため、無駄な停車を避ける・短時間で抜けるルートを選ぶといった工夫も効果的です。夏の時期はできるだけ高速道路を使用しないのも対策の一つです。

夜の走行を避ける

夜の背景で車が走行する写真

夜間はライトに虫が集まりやすく、走行中にフロント部分へ大量に付着する原因になります。とはいえ、夜にしか移動できない場面もあるでしょう。そうした場合は、できるだけ明るい幹線道路や街灯のあるルートを選ぶことで、虫の多い山道や河川沿いを避けやすくなります。

また、短距離の移動で済むよう目的地近くに前泊する、用事の時間を調整して夕方までに戻るなど、移動そのものを分散させる工夫も有効です。どうしても夜間に走行する場合は、事前に虫の付きやすい部分へコーティング剤を補っておくと、走行後の掃除がぐっと楽になります。

車の虫取りに関するよくある質問

車の虫取りに関するよくある質問に答えるイメージ

車の虫取りについてその方法や対策などについて解説してきましたが、まだまだ作業内容などで気になることがあるという方もいるのではないでしょうか。最後は車の虫取りに関する、4つのよくある質問に答えていきます。

車の虫取りに激落ちくんは使っても大丈夫?

車のボディに激落ちくん(メラミンスポンジ)の使用はおすすめしません。
激落ちくんは研磨力が高く、塗装表面やコーティング層を傷つけるおそれがあります。とくにブラック系や濃色のボディでは、うすいスリ傷が目立ちやすくなるため注意が必要です。

どうしても使用する場合は、目立たない箇所でごく軽くこすって影響を確認するしかありませんが、基本的には車専用の虫取りグッズやマイクロファイバークロスを使うのが無難です。

100均などのシートは使っても大丈夫?

100円ショップで手に入るウェットシートは便利に見えますが、車の塗装やコーティングとの相性が悪いものも多いため注意が必要です。
とくに成分表示が曖昧な製品や、アルカリ性が強いものは塗装を傷めたり、コーティングを劣化させたりする可能性があります。

また、シートの繊維が粗く、ボディに細かなキズをつけるケースもあります。虫取りには車用に設計された専用のクリーナーシートを使うのが安心です。どうしても使う場合は目立たない箇所で確認してからにしましょう。

重曹は効果がある?

重曹は虫取りにはおすすめできません。重曹は弱アルカリ性で軽い汚れの中和や油分の除去には使えますが、研磨性があるため塗装面を傷つけるリスクがあります。
特に乾いた状態や、濃い濃度で使うと摩擦によりボディを傷めてしまう可能性が高まります。

加えて、虫の成分にはタンパク質や酸性の要素もあるため、重曹だけでは完全に落としきれない場合もあります。安全に虫を除去するには、車専用の中性クリーナーや専用品を使用しましょう。

車に付いた虫を放置したらどうなる?

虫の付着を放置すると、塗装に深刻なダメージを与えるおそれがあります
虫の体液には酸性の成分が含まれており、長時間放置するとボディの塗膜を浸食してしまいます。高温になる夏場は特に影響が大きく、固着した虫が焼き付いたようになり、洗車でも落としにくくなります。

シミが残って再塗装が必要になることも珍しくありません。見つけたらなるべく早く水をかけてふやかし、やさしく拭き取るなど、放置せずにすぐ対応することが重要です。

車に付いた虫は正しい方法で除去しよう

記事をまとめるイメージ

虫が付着したまま放置すると、酸性成分が塗装に浸透してしまいシミや色あせの原因になるため、できるだけ早く除去するようにしましょう。まずは水でしっかりふやかし、やさしく拭き取るのが基本です。中性洗剤でも代用はできますが、専用クリーナーやシートを使うとより安心です。

虫が付着しやすい環境で車の使用が多い場合は、ガラスコーティングやプロテクションフィルムの施工を検討してみましょう。夜間に山道を走るときは、スピードを50km/h前後に抑えることで付着のリスクを軽減できます。日頃のお手入れと予防対策を組み合わせて、大切な愛車をきれいに保ちましょう。

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著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。