バイクコーティングのメンテナンス方法

バイクコーティングは、一度施工すれば終わりではありません。美しい艶や撥水性能を長く維持するには、普段の洗車とは別に定期的なメンテナンスが欠かせません。表面の汚れを落とすだけでなく、傷んだ被膜の補修やトップコートの再施工など、専門的な作業が必要になるケースもあります。

こうした作業は専門店での対応が基本ですが、専用メンテナンス剤を使えば自分で手入れすることも可能です。この記事では、バイクコーティング後の具体的なメンテナンス方法や頻度、注意点、推奨アイテムまで詳しく解説していきます。

バイクコーティング後のメンテナンスについて

バイクコーティング後のメンテナンスについて解説するイメージ

冒頭で解説したとおり、バイクコーティングの施工後は普段のこまめなお手入れとは別に、定期的なメンテナンスが欠かせません。「洗車できれいにしていれば十分では?」と感じる方もいるかもしれませんが、実はそれだけではコーティングの寿命を長く保つのは難しいといえます。

ここでは、普段のお手入れとメンテナンスの違い、そして定期的なメンテナンスが必要とされる理由について詳しく解説していきます。

普段のお手入れと定期的なメンテナンスの違い

普段のお手入れと定期的なメンテナンスの違いは、目的と作業内容にあります。

普段のお手入れ
洗車や拭き取りなど、バイクの表面に付いたホコリや雨ジミなどを落として、見た目をきれいに保つための作業です。定期的なメンテナンス
コーティング被膜そのものを補修・強化することが目的となり、撥水性能が落ちてきた部分にトップコートを塗り直したり、イオンデポジットを除去したりといった作業が中心になります。

ぱっと見の印象は同じでも、表面の保護力には差が出てくるため、洗車だけでは不十分です。コーティングの性能をきちんと保つには、両方をうまく組み合わせていくことが大切です。

メンテナンスの必要性

バイクコーティングは、一度施工すれば終わりというわけではなく、紫外線や雨、排気ガスなどの影響で、コーティング効果は薄れていきます。
洗車で落とせるのはあくまで表面の汚れだけとなり、撥水力の低下やツヤの鈍化、イオンデポジットの固着といった現象まではカバーできません。

これらを放置すると塗装面の保護力が落ち、汚れやすくなってしまいます。
きちんとケアすれば、見た目の美しさだけでなく保護効果も長く保つことができるため、定期的なメンテナンスでコーティングを補修・再強化することが大切です。

関連記事:バイクコーティングの寿命は何年?種類ごとの目安と長持ちさせる方法

【専門店】
バイクコーティングのメンテナンス

【専門店】バイクコーティングのメンテナンスついて解説するイメージ

バイクコーティングのメンテナンスでは、頑固なシミの除去や被膜の補修、撥水性能の回復といった専門的な作業が中心となるため、施工を行ったお店に依頼するのが一般的です。

これまでにメンテナンスを依頼したことがなく「具体的な流れや料金がどれくらいかかるのか気になる」という方もいるのではないでしょうか。ここでは、専門店で実施される主な作業の内容や料金の目安、推奨される頻度、所要時間の目安について詳しく解説していきます。

専門店で行われる主なメンテナンス

バイクコーティングのメンテナンスでは、専用の道具や洗剤を使い、細かな隙間まで丁寧に洗車を行い、通常の洗車では落ちにくいシミや水アカを専用の除去剤で除去していきます。
コーティング被膜の表面が劣化している場合には、専用クリーナーを使って撥水やツヤを回復させる処理が行われます。

状態が悪い場合には、シミ除去後に軽く磨きをかけて部分的な補修や、トップコートのみ塗り直すといった工程が加わったりすることもあります。

すべての工程を毎回行うわけではなく、バイクの状態に合わせて必要な作業を選択するのが一般的です。
お店によっては、軽めのメンテナンスから本格的な補修まで複数のメニューを用意しており、状態に応じて適切な内容を提案してくれます。

関連記事:バイクコーティングは専門店がおすすめ!失敗しないお店選びのポイントと優良施工店を紹介

メンテナンスにかかる料金の目安

バイクコーティングのメンテナンス料金は、全国で一律というわけではなく、専門店ごとに大きく異なります。
目安としては「施工時のコーティング料金の1〜3割程度」で設定されているケースが多く見られます。

簡易的なメンテナンスであれば数千円から対応してもらえることもありますが、被膜補修やトップコートの再施工を含むしっかりした内容の場合は、2万〜5万円ほどかかることもあります。
施工時のプランや使われたコーティング剤の種類によっても費用が変わるため、事前に見積もりを取って確認するのが安心です。

関連記事:バイクコーティングの費用は?専門店と自分で施工する場合の料金差と安く抑えるコツを解説

おすすめのメンテナンスの頻度

バイクコーティングのメンテナンス頻度は、保管場所や使用状況によって変わりますが、一般的には「半年〜1年に1回」がひとつの目安です。

洗車後に撥水力の低下や、表面にくすみやシミが目立ってきたと感じたら、早めに施工店に相談しましょう。プロが状態を確認したうえで、今の被膜に合った最適なメニューを提案してくれます。

メンテナンス作業にかかる時間

バイクのメンテナンスにかかる時間は、実施する作業の内容によって変わります。

2〜3時間程度のケース
軽い汚れ落としと被膜の簡易補修半日〜1泊2日のケース
イオンデポジットの除去や軽研磨による再コーティング

店舗の混雑状況や作業ブースの空き状況によっても所要時間は変わるため、事前予約のうえで作業の流れや所要時間を確認しておくと安心です。
代車の有無なども、店舗ごとに異なるため確認しておくとよいでしょう。

【自分で】
バイクコーティングのメンテナンス方法と注意点

【自分で】バイクコーティングのメンテナンス方法と注意点について解説するイメージ

バイクコーティングのメンテナンス作業のうち、研磨などの専門的な処理はプロの技術と機材が必要ですが、軽度なシミや汚れの除去、被膜の補修といった作業であれば自分でも対応することができます。最近は、専用のメンテナンス剤やリキッド類も市販されていて、DIYでのメンテナンスに挑戦するライダーも増えています。

ただし、誤った使い方をすると被膜を傷めてしまうリスクもあるため、正しい手順や注意点を理解しておくことが大切です。ここでは、自分で行うメンテナンスの基本的な方法と、作業時に気をつけたいポイントを解説していきます。

メンテナンス剤の使い方と作業手順

市販のバイク用メンテナンス剤は種類が豊富ですが、基本的な使用方法は共通しています。
まずは通常の洗車でホコリや砂などの汚れをしっかり洗い流します。そのうえで、乾いた状態で使うタイプか、濡れた状態で使うタイプかを確認しましょう。

使用時は、付属のスポンジやマイクロファイバークロスで優しく塗り広げるように作業します。溶剤をつけすぎると、拭き取りきれずにムラになったり、表面がギトギトになってしまったりすることがあるため、適量を守ることが大切です。被膜の修復や撥水性能の回復に特化したクリーナーもあり、通常の洗車では落ちないような軽度のシミや水ジミを取り除けるタイプもあります。

メンテナンスの注意点

自分でメンテナンスを行ううえで最も気をつけたいのが、コーティング被膜を剥がしてしまうリスクです。
特に注意が必要なのが、シミの除去を目的に強力な除去剤を使うケースです。
専用のメンテナンスクリーナーであれば被膜に配慮した処方になっていますが、市販の除去剤には研磨成分や強い薬剤が含まれていることも多く、誤って使うと被膜ごと削ってしまう可能性があります。

また、作業中の環境にも注意が必要で、炎天下では溶剤が急速に乾いてムラやシミの原因になることもあります。
さらに、専門店で施工した場合、使用するメンテナンス剤の種類やセルフメンテナンスそのものを制限しているケースもあります。
事前に保証条件を確認しておかないと、勝手な作業で保証対象外になってしまうこともあるため注意しましょう。

【厳選】
バイクコーティングに最適なメンテナンス剤

自分で洗車のついでにメンテナンスをしようと考えていても、市販されている商品が多すぎて、どれを選べばいいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。特に、現在のコーティングに対してどれが最適か、どの製品と相性が良いのかといった判断は難しいものです。

ここでは、コーティング専門店「カービューティーIIC」がおすすめするメンテナンス剤を3つ厳選して紹介します。

SCHILD® コーティングメンテナンスクリーナー|被膜の修復向け

おすすめのバイクコーティング用メンテナンス剤:SCHILD® コーティングメンテナンスクリーナー|被膜の修復向け

SCHILD® コーティングメンテナンスクリーナーは、ガラスコーティング施工車専用に開発されたメンテナンス剤です。洗車では落ちにくい軽度なシミや油汚れを分解し、撥水性やツヤの回復をサポートします。

使い方は、洗車後の濡れた塗装面に本液を塗り込み、水で洗い流すだけと簡単です。

ピッチタールなどの頑固な汚れにも対応し、ホイールや下回りのケアにも使え、塗装面や被膜を傷めにくい成分なので、DIYでのメンテナンスにも安心して使用可能です。ボンネットや天井など紫外線の影響を受けやすい部位には月1回、側面には2〜3カ月に1回の使用が目安です。

他社のコーティングにも使用可能となり、汚れが気になる部分だけにピンポイントで使うのも効果的です。

SCHILD®コーティングメンテナンスクリーナー190mlの詳細はこちら

SCHILD®Premium 超撥水リキッド290ml|撥水効果の復元向け

おすすめのバイク用メンテナンス剤:SCHILD®Premium 超撥水リキッド290ml|撥水効果の復元向け

SCHILD®Premium 超撥水リキッド290mlは、塗装面に超撥水のガラス系被膜を形成できるスプレータイプのメンテナンス剤です。
市販品では物足りない方にも対応できる高い撥水性能と防汚性が特徴で、水玉がコロコロと転がるような仕上がりになります。

使い方は、洗車後のきれいなボディにマイクロファイバークロスで塗り込み、乾いたクロスや濡れたクロスで拭き上げるだけ。
施工後は、雨の日でも汚れが付きにくくなり、洗車時にも水圧だけで汚れが落ちやすくなるセルフクリーニング効果が期待できます。撥水の低下を感じた際や、輝きを取り戻したいタイミングでの使用がおすすめです。

SCHILD®Premium 超撥水リキッド290mlの詳細はこちら

SCHILD®イオンデポジット除去剤|頑固な雨染み対策

おすすめのバイク用メンテナンス剤:SCHILD®イオンデポジット除去剤|頑固な雨染み対策

SCHILD® イオンデポジット除去剤は、塗装面に付着した雨染みや水ジミなどのイオンデポジットを化学的に分解して取り除くための専用クリーナーです。
付属のマイクロファイバークロスで塗布・拭き取りするだけの簡単な施工で、頑固な汚れにも対応可能となり、市販の除去剤では落とせなかったシミに悩んでいる方にもおすすめです。

使用上の注意点
・ウォータースポットのように塗装自体が侵食されているものは除去できません。
・短い放置時間で変色するため、ガラスやメッキ部分に付着した際はすぐに乾拭きで拭き取ってください。

SCHILD® イオンデポジット除去剤100ml+マイクロファイバークロスの詳細はこちら

よくある質問┃バイクコーティングメンテナンス

バイクコーティングのメンテナンスに関するよくある質問に答えていくイメージ

バイクコーティングメンテナンスの必要性や作業方法などについて解説してきましたが、まだまだ作業するうえで気になることがあるという方もいるのではないでしょうか。
ここでは、メンテナンスに関する4つのよくある質問に答えていきます。

メンテナンス後、バイクが雨に濡れても大丈夫?

基本的にメンテナンス直後のバイクは濡らさないほうが安心です。

特にコーティング剤を再施工した場合は、被膜が完全に定着していないうちに雨に濡れると、効果が弱まったり寿命が短くなったりする可能性があります。

乾燥にかかる時間は、使用するメンテナンス剤の種類や施工環境によって異なるため、必ず説明書を確認しましょう。一方で、中には「濡れた状態でも使用可能」「施工直後の濡れに強い」といった商品もあるため、製品ごとの特徴を理解して使い分けることが大切です。

関連記事:バイクコーティングの効果と種類ごとの特徴について解説

バイクが汚れていなくてもメンテナンスは必要?

見た目に関わらず定期的なメンテナンスは必要です。たとえバイクが汚れていないように見えても、紫外線や空気中の微粒子、酸性雨などによるダメージは確実に蓄積していきます。

ただし、その頻度は使用環境によって大きく異なります。屋外に停めて日常的に乗る場合は半年に1回程度のメンテナンスが目安ですが、屋内保管であまり乗らない場合は1年以上不要なこともあります。判断が難しいときは、お店に車両の状態を見せて相談してみると安心です。

お店で施工したバイクは自分でメンテナンスしても大丈夫?

問題ありません。ただし、施工店が指定したケミカル以外を使った場合、保証の対象外になるケースがあります。

特にトップコートの再施工やシミ除去などは、使用する薬剤によって被膜に影響が出ることもあるため注意が必要です。
自己判断で作業を始めるのではなく、「自分でケアしたい」とお店に伝えたうえで、使用可能な製品や適切な作業方法を確認しましょう。

メンテナンスしないとどうなる?

メンテナンスを怠ると、コーティング被膜は徐々に劣化していきます。

撥水性能が低下して雨ジミが付きやすくなるほか、紫外線や洗車時の摩擦によって塗装面が傷みやすくなります。
結果として、ツヤがなくなったり、細かい線キズが増えて全体的にくすんで見えたりする原因になります。

美しい状態を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。

バイクコーティングのメンテナンスで美しい状態を維持しよう

バイクコーティングは、優れた保護力や美しい仕上がりを長く保つために、定期的なメンテナンスが欠かせません。普段の洗車とは異なり、専門店では専用クリーナーで被膜を補修したり、状態に応じて磨きやトップコートの塗り直しが行わたりすることもあります。基本的には1日で完了するメニューが多く、費用はコーティング施工価格の2〜3割程度が目安です。

軽度な被膜の補修であれば自分でも対応できますが、除去剤などを使う際は被膜を傷めないよう十分に注意が必要です。少しでも不安な点があれば、まずは施工店に相談するのが確実です。こまめなお手入れと定期的なメンテナンスを続けることで、美しい状態をしっかり維持できます。

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著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。