カーフィルム専門店が教える失敗しないフィルムの選び方

この記事を書いた人

氏名:馬場伸 (ばば しん)

役職 技術部課長
専門:カーコーティングカーフィルムバイクコーティング
1993年に㈱カービューティープロで技術研修を受け独立し多くの車を磨き続けた。その後、2001年~2014年まで新潟県のカーコーティングショップに努める。2014年には大阪に単身赴任し更なる技術を求めカーコーティング専門店に勤務する。2017年にはカービューティーアイアイシーに入社し、現在は技術部課長を務める。カーコーティング、カーフィルムの実績が多く保有する技術能力は高くお客様の求める価値を提供し続けている。

 カーフィルム専門店が教える失敗しないフィルムの選び方|カービューティIIC

 カーフィルム専門店が教える失敗しないフィルムの選び方|カービューティIIC

カーフィルムについて調べているということはカーフィルムの効果や種類、失敗しない選び方などを知りたいと思ってこのページを見ているのではないでしょうか?

車のガラスに貼るカーフィルムは種類によって紫外線カット(UVカット)、赤外線遮断(IRカット)、遮熱・断熱効果、プライバシー保護など、特化する効果効能がカーフィルムの種類によって異なりますので、実際にカーフィルム施工を検討する際は、ご自身のニーズにあったフィルム選びが重要となってきます。

この記事では、カーフィルムの効果・メリットを簡単にご説明する他、カーフィルムの種類、おすすめのカーフィルムメーカーについても触れていきますので、実際にご依頼する際に参考にしていただけると幸いです。

カーフィルムとは

カーフィルムとは

カーフィルムとは車の窓ガラスの内側に施工する作業のことを言います。カーフィルムを張ることで3つの波長領域をカット(軽減し)車内のプライバシー効果や紫外線(UV)、赤外線(IR)などをカットすることが出来ます。そのため、日焼け防止や断熱対策をすることが可能となります。車内環境を快適な空間に仕上げるために行うのがカーフィルムです。

カーフィルムでカット出来る3つの波長領域

カーフィルムを張ることで太陽光の3つの波長領域をカット(軽減)させることが可能となります。

1.紫外線の波長領域

太陽光に含まれる波長の1つ目は紫外線です。この紫外線の波長領域は400nm以下になります。

2.赤外線の波長領域

2つ目の波長は赤外線です。紫外線の波長は800nm~2000nmとなります。

3.可視光線の波長領域

可視光線は下限は360nm~400nmで上限は760nm~830nmとなります。

カーフィルムは上記の3つの波長領域を効果的に軽減・カットさせることで車内環境が劇的に向上する製品です。次はそれぞれの効果を詳しく見ていきましょう。

カーフィルムの効果・メリット

カーフィルムの効果・メリットとして先ほどお伝えした3つの波長領域をカットすることで様々なメリットが得られます。1項目ごとに確認していきましょう。

メリット①紫外線カット(UVカット)で日焼け防止効果が得られる

カーフィルムの性能にUVカット「紫外線カット」機能があり1つ目のメリットは紫外線の波長領域400nm以下をカット・軽減することで日焼け防止効果が得られます。カーフィルムを施工していない場合は紫外線が直に人体に当たってしまうため日焼けなどのトラブルが発生するため、手袋を装着したり日焼け止めを過剰につけなければならなくなってしまいます。カーフィルムを張ることで紫外線を効果的にカットするため日焼けなどの対策を行うことが可能となります。

カーフィルムの紫外線カット(UVカット)についてより詳しく知りたい方は100%紫外線カット(UVカット)カーフィルムの特徴をIICが解説をご参照ください。

紫外線カットフィルム施工後の検証動画
動画引用元:ロボホンTeslaでおでかけ

メリット②赤外線カット(IRカット)で遮熱・遮断効果が得られる

2つ目のメリットは赤外線カット効果 (IRカット)です。カーフィルムで赤外線の波長を800nm~2000nmカットすることで、車内の暑さ対策(断熱・遮熱効果)が期待でき、人体に影響を与えるジリジリ感を軽減することが可能となります。具体的には、400nm以上2000nm以下が赤外線と区分されていますが、赤外線は3つに分かれています。【近赤外線、赤外線、遠赤外線】です。この赤外線の領域を総合的にカットすることも重要なのです。外気温を車外から侵入させづらくすることができるため冷暖房の効きが向上します。夏場の炎天下でも肌のジリジリ感を抑え冷房の効率を向上させるため車内環境が劇的に向上します。

カーフィルムの赤外線カット(IRカット)についてより詳しく知りたい方は赤外線(IR)カットフィルムの効果とカット率の違いをプロが徹底解説をご参照ください。

メリット③可視光線透過率を下げてプライバシー保護にも有効

可視光線透過率とは、低ければ低いほど光を通しづらくする率のことです。カーフィルムの可視光線透過率が低いカーフィルム(スモークフィルム)ほど車内が見えづらくなるためプライバシー保護に有効となります。

メリット④事故の際のガラスの飛散防止効果

4つ目のメリットは事故の際のガラスの飛散防止効果が得られます。下記動画のようにカーフィルムを施工してあることでガラスが飛散しづらくなるため同乗者をガラスの破片から守ることが可能となります。

カーフィルム施工によるガラス飛散防止効果
動画引用元:IKC動画チャンネル

以上、4つがカーフィルムで得られるメリット(効果)でした。
カーフィルムのメリットとあわせ、デメリットや費用についても詳しく知りたい方はカーフィルムの効果,費用,メリットデメリットをIICが解説をご参照ください。

次章ではカーフィルムの種類について見ていきましょう。

カーフィルムの種類

カーフィルムには4つの種類があります。

1.スモークフィルム

スモークフィルム

スモークフィルムは透過率が低いフィルムで車外から車内を見えづらくする効果が得られます。スモークフィルムの濃さは透過率45%・35%・25%・15%・8%・1%などメーカーによって様々です。この透過率が低ければ低いほどスモークが濃くなるため車内が見えづらくなります。

2.クリアフィルム(透明フィルム)

クリアフィルム(透明フィルム)

クリアフィルムは透明タイプのカーフィルムです。透明タイプのカーフィルムは紫外線カット効果や赤外線カット効果が得られるためフロントガラスや運転席、助手席に施工するのが一般的です。

3.ミラーフィルム

ミラーフィルム
画像出典:IKC株式会社
ミラーフィルムは鏡のように光を反射するフィルムとなり高いプライバシー効果や断熱性能も得られる商品です。

4.カラーフィルム

カラーフィルム
画像出典:ロングカーライフ
カラーフィルムはブルーやイエロー、グリーンなど様々な色が存在します。車をドレスアップする目的で施工させる商品です。

法令違反となるカーフィルムのケース

カーフィルムは施工を誤ると法令違反になるケースがあるので注意が必要です。詳しく見ていきましょう。

フロントガラスの可視光線透過率について

道路運送車両法の保安基準 第条29条3項では、「自動車(被牽引自動車を除く)の前面ガラス及び側面ガラス(運転者席より後方の部分を除く)は、透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみがなく、運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線透過率が70%以上でなければならない。」と定めています。そのためスモークフィルムなどの色付きフィルムは張ることが出来ません。施工する際には必ず可視光線透過率が70%以上確保できるカーフィルムを施工するようにしましょう。

参考にした記事:道路運送車両法の保安基準 第条29条3項

経年劣化で可視光線透過率が低下する

保安基準で可視光線透過率が70%以上確保できるフィルムでないと車検に通らないということをお伝えさせていただきましたが、カーフィルム施工後に可視光線透過率が70%以上あるフィルムでも紫外線による変色やガラスの開閉時の摩擦により傷が入り可視光線透過率が70%を下回ってしまう可能性があります。車検対応の透明フィルムでも確実に車検に通るわけではないので予め認識しておきましょう。

信頼できるカーフィルムの施工業者

カーフィルムの種類

カーフィルムの施工業者で信頼できるショップを見極めるためには保証制度が充実しているか確認しておきましょう。
実際に検討段階にある方はお勧めのカーフィルム専門店8選!優良ショップ選びの5つのポイントをご一読ください。

カーフィルムの保証制度

カーフィルムの保証制度とは、保証期間中に気泡などの影響による剥がれや変色、バブリング(気泡)が発生した場合に無料で貼り直してくれるサービスです。業者によってはカーフィルムの保証が無かったり、期間も異なるので予め保証の内容を確認しておきましょう。

カーフィルムのおすすめメーカー3選

信頼できるショップの傾向として下記のおすすめメーカー3選を取り扱っている店舗であれば安心できる傾向が高いです。
何故なら、カーフィルムのメーカーによって寿命や赤外線カット率、紫外線カット率が異なるからです。

おすすめカーフィルムメーカー①
コボテクトサンブロックフィルム

コボテクトサンブロックフィルム

コボテクトサンブロックフィルムは紫外線カット率100%と驚異的な効果を実現すると同時に断熱効果体感率も100%と非常に効果効能が高い製品となります。現在販売されているカーフィルムの中で最も性能が高いと言っても過言ではありません。

詳細について詳しくはKOBOtect sun blockフィルム(旧LFTフィルム)に掲載しております。

おすすめカーフィルムメーカー②
シルフィードフィルム

シルフィードフィルム

おすすめ2位はIKC社のシルフィードフィルムとなります。シルフィードフィルムは紫外線カット率99%、赤外線カット率92%の性能に加え、施工費用が比較的リーズナブルな商品となります。施工費用の相場は車の車種によっても異なりますが、リア周り(リアガラス、リアサイドガラス、三角窓)で平均3万~5万程度で施工できる商品です。

詳細について詳しくは断熱カーフィルム・シルフィードフィルム施工店に掲載しております。

おすすめカーフィルムメーカー③
ゴーストフィルム

ゴーストフィルム
画像参照元:ウエラ名古屋

ゴーストフィルムは車検対応の特殊ミラーフィルムとなります。色合いが他のフィルムに比べ虹色のような発色が得られる商品となりドレスアップを目的に施工する方におすすめのカーフィルムとなります。

詳細について詳しくはブレインテック公式 フィルムショップに掲載されております。

カーフィルムでよくあるQ&A

カーフィルムでよくある質問(Q&A)をまとめました。

車検に通るカーフィルムの透過率は?

ガラスに施工したカーフィルムの透過率は70%以上なければ車検に通りません。車検を行う際に検査官が保安基準を満たす透過率測定器で透過率を調べた際、70%を下回った場合はフィルムを剥がされてしまうので注意しましょう。

カーフィルムの車検について詳しく知りたい方はカーフィルム施工車の車検は大丈夫?ルールについて分かりやすく解説をご参照ください。

ゴーストフィルムって何?

ゴーストフィルムとは虹色がかったミラータイプのカーフィルムとなります。紫外線カット率100%と赤外線カット率も非常に高いフィルムでドレスアップを目的に施工される方が増えています。

カーフィルムの寿命はどれくらい?

カーフィルムの寿命は施工する商品によっても異なりますが約5年~10年となります。それ以上経過したカーフィルムはバブリングと言われる浮き(気泡)やスモークフィルムの色が薄くなってしまうこともあります。施工してから5年ほど経過したカーフィルムは断熱性能や紫外線カット機能、赤外線カット機能が低下するため張替をおすすめします。

カーフィルムで一番選ばれている透過率は何%ですか?

車種によっても異なりますが、セダンタイプですと、可視光線透過率20%が一番選ばれております。SUVやアルファードクラスですと、カーフィルムの透過率8%が一番多く選ばれています。

カーフィルムの施工日数はどのくらいですか?

施工するカーフィルムの面積によって変わります。リアセット(後部座席周辺、リアガラス)ですと4時間~、全面施工で1日~となります。

カーフィルムを貼ってから気をつけることはありますか?

カーフィルム施工直後は窓の開閉は極力お控えください。剥がれてしまう可能性があるため施工後2日程度時間をおいてからガラスを開閉するようにしましょう。

カーフィルム施工後のお手入れは必要ですか?

カーフィルム施工後の特別なお手入れは不要ですが、汚れが目立つ際にはガラス専用のクリーナーなどでガラスをふきあげてください。

カーフィルムは剥がしても後に残らないの?

カーフィルムを剥がす場合は、フィルムの糊が残る可能性があります。シリコンオフや糊除去剤などを使用すれば綺麗に取り除くことが可能です。

フロントガラスにカーフィルムを施工した場合、GPS・ETC等に影響はありますか?

ミラーフィルムは電波を遮断してしまます。透明断熱フィルムの場合はフロントガラスに施工しても問題はありません。詳しくは専門店にご相談ください。

まとめ

車の窓ガラス内側に施工することで、紫外線カット(UVカット)、赤外線カット(IRカット)、紫外線カット(UVカット)遮熱・断熱効果、車内のプライバシー保護の向上など、車内環境を快適にさせることが可能な商品です。

カーフィルムの種類によって紫外線カット率(UVカット)や赤外線カット率(IRカット)は異なるため、実際にカーフィルムを施工する際にはカット率を意識して選ぶようにすると、高い遮熱・遮断効果が得られるでしょう。

そして車検を意識したカーフィルムの専門店選びも重要です。フロントガラスや助手席、運転席は透明タイプのカーフィルム(透過率70%以上)でなければ車検時には剥がされてしまうので注意しましょう。

今回の記事を読んでカーフィルム選びの参考にして頂ければ幸いです。