
車のキーパーコーティングは決して安価なものではありません。せっかく施工したキーパーコーティングも、間違ったお手入れをしてしまうと、被膜を傷めてしまい、効果の持続期間が短くなったり、ツヤや光沢が損なわれてしまうことがあります。
さらに、水弾きの低下や、通常の洗車では落としにくい汚れが付着すると、再度下地処理や研磨作業が必要となり、結果的にキーパーコーティングの再施工が必要になるケースもあります。
再施工には新たな費用と時間がかかるため、正しい知識とメンテナンスが非常に重要です。
当記事では、キーパーコーティングの効果を長持ちさせるために絶対にやってはいけない8つのNG行動を中心に、よくある質問とその対処法についても詳しくご紹介します。
2025年5月29日更新
1章 キーパーコーティング施工車で絶対にやってはいけない8つのこと
キーパーコーティングを施工した車で絶対にやってはいけない事は下記の8つです。
① キーパーコーティング施工車の洗車を怠る
② カーシャンプーを使用せずに水洗いのみで済ませる
③ キーパーコーティング施工車をブラシ式の洗車機に入れる
④ キーパーコーティング施工車にカーワックスを使う
⑤ 洗車後の水道水を自然乾燥させる
⑥ 井戸水で車を洗う
⑦ 鳥フン・虫の死骸・花粉などを放置する
⑧ 水垢除去剤や研磨剤入りのシャンプーを使用する
下記で順番にご説明します。
①キーパーコーティング施工車の洗車を怠る
キーパーコーティング施工車であっても、洗車をしないとコーティング効果は徐々に低下します。
一部では、「雨だけで付着した汚れが落ちる」と、洗車をしなくても綺麗を保てると錯覚させるようなPRが記載してあるコーティングも目にしますが、キーパーコーティングであっても走行や大気中の汚れ、花粉、黄砂などが確実に車に付着し、時間とともに蓄積していきます。
キーパーコーティングには1年耐久のクリスタルキーパーや、3年耐久のダイヤモンドキーパーなど、長寿命を誇るメニューが揃っていますが、施工後のお手入れを怠ればその性能を最大限に活かすことはできません
定期的な洗車をするように心がけましょう。
関連記事:ガラスコーティング後の正しい洗車頻度|洗車機の利用や施工直後の注意点も解説
②カーシャンプーを使用せず洗う
カーシャンプーを使用せずに洗うことで摩擦による洗車傷リスクが高まります。
かな砂やホコリが付着したままの塗装を水とスポンジのみで擦ってしまったり、クロスで拭きあげてしまうと細かなスクラッチ傷が付着しやすくなります。
汚れの度合いによっては水洗いだけで砂やホコリが落ちないケースも多くあるので、キーパーコーティング施工車には弱アルカリ性のSCHILD® カーシャンプーがおすすめです。
塗装面に形成したコーティング被膜を痛めず、泡立てて使用する事で水洗いだけでは落ちない汚れを浮かせる効果があるので、使用する事で洗車傷リスクを軽減する事が可能です
③キーパーコーティング施工車をブラシ式の洗車機に入れる
キーパーコーティング施工車を洗車機に入れることで、ブラシによる摩擦ダメージで水弾きや光沢を低下させるほか、塗装面に擦れ傷(スクラッチ傷)が付着する恐れがあります。
昨今では、プラスチックやナイロン製の硬い素材を避け、傷が付きにくいブラシなどが洗車機に採用されているケースも増えていますが、ブラシの種類がはっきり確認できない場合は使用を避けた方が良いでしょう。また、高圧水で洗浄するタイプのノンブラシ洗車機はコーティング被膜にダメージを与える事無く洗車する事は可能ですが、ブラシ付きの洗車機と比べると固着汚れは落ちにくくなっており、汚れの程度によっては洗車後の仕上がりに不安が残ります。
キーパーコーティング施工車は手洗い洗車で優しくお手入れすることで、コーティング被膜のダメージ・や塗装面の洗車傷をある程度防止できるため、キーパーコーティング施工車には手洗い洗車をおすすめします。
補足となりますが、濃色のボディカラーを採用している車両は塗装面のスクラッチ傷が目立ちやすいため、ブラシ付き洗車機による洗車は特に避けた方が良いと言えます。
関連記事:コーティングした車に洗車機は絶対NG!3つの理由と最適な洗車方法
④キーパーコーティング施工車にカーワックスを使用する
紫外線や熱によるダメージを受けやすくなるほか、排気ガスや花粉などの有機汚れが付着しやすくなります。
カーワックスの主成分はカルナバ蝋をはじめとした油分を含む有機質となり、コーティング被膜の上に油の膜を張ってしまうことで、有機汚れを集めやすくなるほか、太陽光や外気の熱で溶けやすく、カーワックスがコーティング被膜に溶け出して固着してしまうと、キーパーコーティング施工車の光沢を低下させてしまいます。
洗車時の汚れ落ちも悪くなるため、洗車の時間が増えてしまうデメリットがあるため、キーパーコーティング施工車にはカーワックスは使用せず、専用のメンテナンス剤でのお手入れをおすすめします。
関連記事:ガラスコーティングとカーワックスを徹底比較。効果の違いとは?
⑤洗車後の水道水をふき取らない
水シミや水垢(イオンデポジット)の原因となります。
水道水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれており、洗車した後の水をふき取らないと車体に残った水滴が乾いて蒸発した際に、ミネラル成分が車の塗装面に白っぽい水シミ・水垢として残りやすくなります。
キーパーコーティング施工車は未施工車に比べると撥水効果で車体に水分は残りにくくなりますが、水シミ・水垢を長期間放置して研磨除去でしか落とすことが出来ない汚れとなってしまった場合は、除去した後にキーパーコーティングの再施工が必要です。
特に気温が高い晴天時の日中では、塗装表面に残る水分が乾きやすく水シミのリスクも挙がるため洗車後は車体に残る水道水をふきあげるようにしましょう。
関連記事:イオンデポジットとウォータースポットの原因と5つの対策を解説
⑥井戸水で車は絶対に洗わない
井戸水で洗車して発生した水シミ・水垢(イオンデポジット)はより頑固に残留します。
一般に、井戸水は水道水よりも豊富なカルシウムやマグネシウムなどの不純物が含まれている分、塗装面の内部に浸食しやすい頑固な水シミ・水垢汚れになりやすいほか、一部の井戸水が含む鉄分は空気に触れると褐色の水垢として変化し、目につく汚れとなります。
一部の井戸水では、粘土質の細かい濁りや、鉄分を含むため、水垢が発生することがあります。濁りは白色の水垢、鉄分は褐色の水垢を生じます。特に鉄分を含む場合は、汲んだばかりの井戸水は無色透明でも、空気に触れたりすると褐色に変化します。 引用元:公益社団法人 日本地下水学会
仮に井戸水の水分を乾かないように洗車しても複数回繰り返し井戸水を使用することで必ず水シミが付着してしまうため、井戸水で車を洗う事は絶対に避けましょう。
関連記事:井戸水洗車は本当に危険。井戸水のシミが付着した場合の対処法を伝授
⑦鳥フンや虫の死骸、花粉などを放置する
鳥フンや虫の死骸、花粉などを放置すると時間経過で酸化反応が進み、コーティング被膜の劣化を促進してしまいます。
鳥フンや虫の死骸:強い酸性・アルカリ性の成分(尿酸・消化酵素・タンパク質)が含まれ、コーティング被膜との化学反応で分解・劣化を促す。
花粉:水分や湿気と混ざると『ペクチン』と言う微量の油分を含む粘着性物質を排出し、洗車で除去し難い花粉汚れに変化。
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⑧水垢除去剤や研磨剤入りシャンプーなどを使用する
キーパーコーティング施工車に水垢除去剤や研磨剤入りシャンプーなどを使用すると、コーティング被膜を剥離させてしまいます。
水垢除去剤は酸性やアルカリ性の化学成分を含む事が多く、コーティング表面の撥水層や保護成分までを除去してしまうおそれがあるほか、研磨剤シャンプーは微細な研磨粒子を含むため、汚れと一緒にコーティング被膜までを直接的に除去してしまいます。
キーパーコーティング施工車に洗車で落ちない水シミや汚れがついてしまった場合のお手入れは、対応のクリーナーや専用のメンテナンス剤を汚れが固着していない段階で適切に使用する事です。下記はおすすめのコーティングメンテナンス剤となりますのでよければご活用ください。
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2章 キーパーコーティング施工車でよくある質問4つ
キーパーコーティング施工車でよくある質問4つにお答えします。
Q1,キーパーコーティング施工車の最適な洗車頻度は?
最適な洗車頻度は青空駐車で2週間以内に1回、屋内駐車で4週間以内に1回です。
キーパーコーティング施工車は防汚効果が向上す未施工車よりも格段に汚れにくくなりますが、汚れが付着した状態で雨に濡れることでシミが発生します。
長期間放置してしまうとキーパーコーティング施工車であっても、洗車で落ちなくなる可能性もあるので、上記を目安として定期的な洗車を心掛けましょう。
関連記事:ガラスコーティング後の正しい洗車頻度|洗車機の利用や施工直後の注意点も解説
Q2,キーパーコーティング施工車の最適なお手入れ方法は?
キーパーコーティングを施工した店舗での定期メンテナンスをおすすめします。
撥水や防汚効果を最大限に維持するため、お持ち込みの現車を確認後にポリッシュ作業やコーティング被膜の補充などを塗装の状態の程度によって行います。
ご自身で出来るお手入れとしては汚れが固着する前の定期的な洗車と、コーティング専用メンテナンス剤の使用が挙がります。
コーティング被膜を傷めやすい『水垢除去剤(イオンデポジット除去剤)・研磨剤入り溶剤(コンパウンド)・強酸性or強アルカリ性洗剤』等は使用しないようにしましょう。
関連記事:コーティングメンテナンスとは?必要性とメンテナンス頻度を解説
Q3,キーパーコーティング施工車に最適なカーシャンプーは?
キーパーコーティング施工車にも問題なく使える弱アルカリ性のSCHILD® カーシャンプーがおすすめです。塗装面に形成したコーティング被膜を痛めず、泡立てて使用する事で塗装面に付着した油性汚れを分解しやすくなり、常に奇麗な塗装面を維持する事が出来ます。
Q4,キーパーコーティング施工車に傷が付いてしまった場合の対処法は?
傷の状態によって対応が異なりますが、必要に応じて部分的な再施工や、下地処理を含む再コーティングとなります。
まず、爪が引っかからないような浅い傷であれば、コンパウンドを使った軽研磨や下地処理によって目立たなくすることができ、再施工せずに対応できるケースもあります。
これは、キーパーのメンテナンス施工や「軽研磨付き再施工」メニューの範囲内で対応が可能です。
一方で、下地が見えるような深い傷、爪が引っかかる傷、ぶつけてできた凹み傷などの場合は、板金塗装による修復が必要になります。
修復後、該当箇所のみ部分的にキーパーコーティングを再施工することで、仕上がりを元通りにすることができます。
また、未塗装樹脂パーツやゴム部品などに傷や劣化がある場合は、交換後に再施工を行うことでコーティングの効果を復元できます。
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【専門店のおすすめ】
System Xコーティング
ここまで、キーパーコーティング施工車で絶対にやってはいけない事をお伝えしました。
この章では当記事を運営するコーティング専門店,カービューティーアイアイシーがおすすめするセラミックコーティング【System Xコーティング】を、ボディコーティング・ホイールコーティング・窓ガラスコーティング・プラスチックコーティング(未塗装樹脂部分)の用途別にそれぞれご紹介させていただきます。
System X MaxG+
(ボディコーティング)
SystemX(システムエックス)は、専門店IICでも取り扱う、超疎水性能を備えた世界最高水準のセラミックコーティングです。
元々はアメリカの航空宇宙産業に特化した特殊コーティングの研究開発から誕生し、過酷な環境下でも優れた耐久性を発揮します。
航空機や船舶の保護にも使われており、従来のガラスコーティングや一般的なセラミックコーティングでは真似できない圧倒的な塩害耐性を誇ります。
SystemXは、耐久年数に応じて3年・6年・8年・10年の各タイプをご用意しています。
中でも「MaxG+(マックスジープラス)」はシリーズ最高峰の性能を持ち、最大10年の持続力に加えて、従来のMaxコーティングと比べて光沢が30%向上。さらに滑らかな手触りと低摩擦により、擦り傷への耐性も非常に高くなっています。
超疎水性によるセルフクリーニング効果に優れ、雨ジミがつきにくいのも特徴。IICが自信を持っておすすめする最上級のセラミックコーティングです。
System X WHEEL
(ホイールコーティング)
System X WHEELは、従来のホイールコーティングとは一線を画す耐久性と保護性能を誇る、最先端のセラミックコーティングです。
その効果は最大で3年間持続し、耐熱温度は760℃と非常に高く、ブレーキダストや黄砂、排気ガス、虫、紫外線、さらには除雪剤など、さまざまな外的要因からホイールを強力に保護します。
深い光沢と洗練された美観を保ちながら、洗車時に使用されるアルカリ系溶剤による剥離リスクも最小限に抑えられており、日常的なお手入れも安心です。
また、国産車・輸入車を問わず、塩害によるサビ対策としてのホイールコーティングにも非常に有効です。
従来のプロショップで採用されているガラス系ホイールコーティングは、耐熱性に優れる一方で、酸性・アルカリ性の溶剤や塩カル(塩化カルシウム)に弱いという欠点がありました。
その点、System X WHEELはセラミックコーティングであり、厚い被膜形成により、ガラスコーティング以上の耐薬品性と塩害耐性を発揮。過酷な環境下でもホイールをしっかりと守ります。
SystemX Glass
(窓ガラスコーティング)
SystemX Glassは、雨の日でもクリアな視界と快適なドライブを実現する、次世代の窓ガラス専用セラミックコーティングです。
従来のフッ素系ガラスコーティングとは異なり、ガラス面との結合力が非常に強く、均一かつ厚みのある被膜が形成されるため、優れた撥水性と耐薬品性を長期間維持します。
被膜がガラス表面の微細な凹凸を滑らかに整えることで、水滴はビーズのようにコロコロと流れ落ち、ワイパーの作動回数を減らしながら、視界の確保をサポート。
特に高速走行時には、風圧によって雨粒が自然に飛散し、ワイパーを使わなくてもクリアな視界が持続します。
さらに、760℃の高耐熱性能で夏場の高温でも剥がれ難いです
アルカリ性・酸性の洗浄剤に対しても強く、メンテナンス時にコーティングが剥がれるリスクも最小限に抑えられます。
輸入車・国産車問わず対応可能で、フロント・リア・サイドすべてのガラスに施工可能。
SystemX REVIVE
(プラスチックコーティング)
SystemX REVIVEは未塗装樹脂パーツの美しさを蘇らせ、未来の劣化を防ぐプラスチック専用コーティング。
劣化した未塗装の樹脂パーツやプラスチックに深みのある黒を取り戻し、まるで新品のような質感を再現します。
紫外線・酸性雨・微細な傷など、樹脂パーツにとって過酷な環境から表面を保護し、色褪せや白化の再発を大幅に抑制するとともに、表面の疎水性を高めることで、汚れもつきにくく、お手入れの手間も軽減。
従来のコーティングでは1年ももたなかった樹脂パーツの美観が、長期間キープされる、まさにプロ仕様の高耐久セラミックコーティングです。
System Xの塩害ストレステスト
※4パネルで行った塩水ストレステストによる色変化
System Xは、過酷な環境下でもその性能を証明しています。
未処理パネル、カーワックス施工パネル、塗装保護剤(シーラント)施工パネル、そしてSystem X施工パネルの**4枚を用いた「塩水ストレステスト」では、System Xを施工したパネルだけが錆による変色を一切示しませんでした。
このテストは、海水の約4倍の濃度の塩水に10時間浸漬するという非常に厳しい条件で実施されたもので、結果としてSystem Xの圧倒的な耐塩水性能が証明されました。
このように、高い防錆性能・耐候性・耐薬品性など、総合的に優れた効果が期待できるため、System Xはコーティング専門プロショップのみで取り扱われている高性能セラミックコーティング剤です。
その分、価格帯は他のコーティング剤よりも高めですが、愛車の美観と資産価値を長期にわたって守ることを考えれば、十分に価値ある選択といえるでしょう。
まとめ
最後までご参照くださりありがとうございました。
下記は当記事でキーパーコーティング施工車のコーティング寿命を低下させないためのお手入れとしてのまとめとなります。
・井戸水で車は絶対に洗わない
・鳥フンや虫の死骸、花粉などは放置せず早期に除去する
・キーパーコーティング施工車にカーワックスの上塗りは避ける
・水垢除去剤や研磨剤入りシャンプーは絶対に使用せず、専用のメンテナンス剤を使用する
・カーシャンプーを使った洗車を定期的に行い、残った水滴もしっかりと拭き上げる
・ブラシの種類がはっきりわからない洗車機は避け、汚れが固着している場合は優しく手洗い洗車をする
上記の点に注意し、コーティング被膜を長期間綺麗な状態に保つことで、結果的にキーパーコーティング施工車のコーティング寿命を延ばすことに繋がります。
また、コーティングをより長く持続させるためにはコーティングメンテナンスを行うようにすることで長期間綺麗な状態をキープすることが出来るので参考にしてみて下さい。

著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。