ガラスコーティング施工車で絶対にやってはいけない8つの事

車のガラスコーティングは決して安い物ではありません。ガラスコーティング施工車に間違ったお手入れをしてしまうとコーティング被膜を痛めてしまい、コーティングの寿命が低下したり、見栄え(輝き)が悪くなってしまいます。

そのほかにも水弾き効果の低下や、洗車で落ちない汚れが付着してしまうと、塗装面の磨き作業や洗浄作業などが必要となり、コーティングを剥がさなければならない可能性もあります。

コーティングを剥がす下地処理を行った後にガラスコーティングの再施工をするとなると別途費用も改めて発生します。

今回の記事では、コーティングの寿命を低下させないためにガラスコーティング施工車で絶対にやってはいけない8つの事をお伝えする他、よくある質問をまとめています。

2025年2月8日更新

1章 ガラスコーティング施工車で絶対にやってはいけない8つのこと

ガラスコーティングを施工した車で絶対にやってはいけない事は下記の8つです。

①ガラスコーティング施工車の洗車をしない
②カーシャンプーを使用せず洗う
③ガラスコーティング施工車を洗車機に入れる
④ガラスコーティング施工車にカーワックスを使用する
⑤洗車時の水道水をふき取らない
⑥井戸水で車は絶対に洗わない
⑦鳥フンや虫の死骸、花粉などを放置する
⑧水垢除去剤や研磨剤入りシャンプーなどを使用する

下記で順番にご説明します。

①ガラスコーティング施工車の洗車をしない

ガラスコーティング施工後に洗車をしない

ガラスコーティング施工車であっても、洗車をしないとコーティング寿命が低下します。
一部では、「雨だけで付着した汚れが落ちる」と、洗車をしなくても綺麗を保てると錯覚させるようなPRが記載してあるコーティングも目にしますが、時間経過で車の汚れは確実に蓄積してゆきます。

3年~5年と寿命の期待値が高い事で知られるガラスコーティングであっても、施工後に洗車をしないとコーティング被膜が傷んで寿命が低下しまうため、ガラスコーティング施工車には定期的な洗車をするように心がけましょう。

関連記事:ガラスコーティング後の正しい洗車頻度|洗車機の利用や施工直後の注意点も解説

②カーシャンプーを使用せず洗う

マットプロテクションフィルムの手洗い洗車

カーシャンプーを使用せずに洗うことで摩擦による洗車傷リスクが高まります。
細かな砂やホコリが付着したままの塗装を水とスポンジのみで擦ってしまったり、クロスで拭きあげてしまうと細かなスクラッチ傷が付着しやすくなります。

汚れの度合いによっては水洗いだけで砂やホコリが落ちないケースも多くあるので、ガラスコーティング施工車には弱アルカリ性のSCHILD® カーシャンプーがおすすめです。塗装面に形成したコーティング被膜を痛めず、泡立てて使用する事で水洗いだけでは落ちない汚れを浮かせる効果があるので、使用する事で洗車傷リスクを軽減する事が可能です。

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③ガラスコーティング施工車を洗車機に入れる

ガラスコーティング施工車を洗車機に入れるイメージ

ガラスコーティング施工車を洗車機に入れることで、ブラシによる摩擦ダメージで水弾きや光沢を低下させるほか、塗装面に擦れ傷(スクラッチ傷)が付着する恐れがあります。

昨今では、プラスチックやナイロン製の硬い素材を避け、傷が付きにくいブラシなどが洗車機に採用されているケースも増えていますが、ブラシの種類がはっきり確認できない場合は使用を避けた方が良いでしょう。また、高圧水で洗浄するタイプのノンブラシ洗車機はコーティング被膜にダメージを与える事無く洗車する事は可能ですが、ブラシ付きの洗車機と比べると固着汚れは落ちにくくなっており、汚れの程度によっては洗車後の仕上がりに不安が残ります。

ガラスコーティング施工車は手洗い洗車で優しくお手入れすることで、コーティング被膜のダメージ・や塗装面の洗車傷をある程度防止できるため、ガラスコーティング施工車には手洗い洗車をおすすめします。

補足となりますが、濃色のボディカラーを採用している車両は塗装面のスクラッチ傷が目立ちやすいため、ブラシ付き洗車機による洗車は特に避けた方が良いと言えます。

関連記事:コーティングした車に洗車機は絶対NG!3つの理由と最適な洗車方法

④ガラスコーティング施工車にカーワックスを使用する

ラスコーティング施工車にカーワックスを使用する

紫外線や熱によるダメージを受けやすくなるほか、排気ガスや花粉などの有機汚れが付着しやすくなります。

カーワックスの主成分はカルナバ蝋をはじめとした油分を含む有機質となり、コーティング被膜の上に油の膜を張ってしまうことで、有機汚れを集めやすくなるほか、太陽光や外気の熱で溶けやすく、カーワックスがコーティング被膜に溶け出して固着してしまうと、ガラスコーティング施工車の光沢を低下させてしまいます。

洗車時の汚れ落ちも悪くなるため、洗車の時間が増えてしまうデメリットがあるため、ガラスコーティング施工車にはカーワックスは使用せず、専用のメンテナンス剤でのお手入れをおすすめします。

効果の違いについてはガラスコーティングとカーワックスを徹底比較。効果の違いとは?に詳しく執筆しておりますので、気になる方はご参照ください

⑤洗車後の水道水をふき取らない

イオンデポジット

水シミや水垢(イオンデポジット)の原因となります。

水道水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれており、洗車した後の水をふき取らないと車体に残った水滴が乾いて蒸発した際に、ミネラル成分が車の塗装面に白っぽい水シミ・水垢として残りやすくなります。

ガラスコーティング施工車は未施工車に比べると撥水効果で車体に水分は残りにくくなりますが、水シミ・水垢を長期間放置して研磨除去でしか落とすことが出来ない汚れとなってしまった場合は、除去した後にガラスコーティングの再施工が必要です。

特に気温が高い晴天時の日中では、塗装表面に残る水分が乾きやすく水シミのリスクも挙がるため洗車後は車体に残る水道水をふきあげるようにしましょう。

関連記事:イオンデポジットとウォータースポットの原因と5つの対策を解説

⑥井戸水で車は絶対に洗わない

井戸水で絶対に洗わない

井戸水で洗車して発生した水シミ・水垢(イオンデポジット)はより頑固に残留します。

一般に、井戸水は水道水よりも豊富なカルシウムやマグネシウムなどの不純物が含まれている分、塗装面の内部に浸食しやすい頑固な水シミ・水垢汚れになりやすいほか、一部の井戸水が含む鉄分は空気に触れると褐色の水垢として変化し、目につく汚れとなります。

一部の井戸水では、粘土質の細かい濁りや、鉄分を含むため、水垢が発生することがあります。濁りは白色の水垢、鉄分は褐色の水垢を生じます。特に鉄分を含む場合は、汲んだばかりの井戸水は無色透明でも、空気に触れたりすると褐色に変化します。  引用元:公益社団法人 日本地下水学会

仮に井戸水の水分を乾かないように洗車しても複数回繰り返し井戸水を使用することで必ず水シミが付着してしまうため、井戸水で車を洗う事は絶対に避けましょう。

関連記事:井戸水洗車は本当に危険。井戸水のシミが付着した場合の対処法を伝授

⑦鳥フンや虫の死骸、花粉などを放置する

鳥フン、虫、花粉を放置して出来た汚れ

鳥フンや虫の死骸、花粉などを放置すると時間経過で酸化反応が進み、コーティング被膜の劣化を促進してしまいます。

汚れの特徴

鳥フンや虫の死骸:強い酸性・アルカリ性の成分(尿酸・消化酵素・タンパク質)が含まれ、コーティング被膜との化学反応で分解・劣化を促す。

花粉:水分や湿気と混ざると『ペクチン』と言う微量の油分を含む粘着性物質を排出し、洗車で除去し難い花粉汚れに変化。

これ等の汚れは太陽光や紫外線の熱、酸素に反応して徐々に酸化し、コーティング表面にシミや変色を引き起こし、コーティングの防汚性能を低下させるほか、最悪の場合ガラスコーティング自体を剥がしてしまうため、発見した場合は早期の除去が必要となります。
除去方法や対策については下記の関連記事にまとめておりますので、気になる方はあわせてご参照ください。
【関連記事】

車に付着した鳥フンの掃除・対策について解説
花粉汚れに悩む方必見!花粉時期におすすめの洗車方法と花粉汚れ対策

⑧水垢除去剤や研磨剤入りシャンプーなどを使用する

水垢除去剤と研磨剤入りカーシャンプー

ガラスコーティング施工車に水垢除去剤や研磨剤入りシャンプーなどを使用すると、コーティング被膜を剥離させてしまいます。

水垢除去剤は酸性やアルカリ性の化学成分を含む事が多く、コーティング表面の撥水層や保護成分までを除去してしまうおそれがあるほか、研磨剤シャンプーは微細な研磨粒子を含むため、汚れと一緒にコーティング被膜までを直接的に除去してしまいます。

ガラスコーティング施工車に洗車で落ちない水シミや汚れがついてしまった場合のお手入れは、対応のクリーナーや専用のメンテナンス剤を汚れが固着していない段階で適切に使用する事です。下記はおすすめのコーティングメンテナンス剤となりますのでよければご活用ください。

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2章 ガラスコーティング施工車でよくある質問4つ

ガラスコーティング施工車でよくある質問4つにお答えします。

Q1,ガラスコーティング施工車の最適な洗車頻度は?

最適な洗車頻度は青空駐車で2週間以内に1回、屋内駐車で4週間以内に1回です。

ガラスコーティング施工車は防汚効果が向上す未施工車よりも格段に汚れにくくなりますが、汚れが付着した状態で雨に濡れることでシミが発生します。
長期間放置してしまうとガラスコーティング施工車であっても、洗車で落ちなくなる可能性もあるので、上記を目安として定期的な洗車を心掛けましょう。

関連記事:ガラスコーティング後の正しい洗車頻度|洗車機の利用や施工直後の注意点も解説

Q2,ガラスコーティング施工車の最適なお手入れ方法は?

ガラスコーティングを施工した店舗での定期メンテナンスをおすすめします。

撥水や防汚効果を最大限に維持するため、お持ち込みの現車を確認後にポリッシュ作業やコーティング被膜の補充などを塗装の状態の程度によって行います。
ご自身で出来るお手入れとしては汚れが固着する前の定期的な洗車と、コーティング専用メンテナンス剤の使用が挙がります。

コーティング被膜を傷めやすい『水垢除去剤(イオンデポジット除去剤)・研磨剤入り溶剤(コンパウンド)・強酸性or強アルカリ性洗剤』等は使用しないようにしましょう。

関連記事:コーティングメンテナンスとは?必要性とメンテナンス頻度を解説

Q3,ガラスコーティング施工車に最適なカーシャンプーは?

ガラスコーティング施工車にも問題なく使える弱アルカリ性のSCHILD® カーシャンプーがおすすめです。塗装面に形成したコーティング被膜を痛めず、泡立てて使用する事で塗装面に付着した油性汚れを分解しやすくなり、常に奇麗な塗装面を維持する事が出来ます。

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Q4,ガラスコーティング施工車に傷が付いてしまった場合の対処法は?

ガラスコーティングの再施工となります。

爪が引っかからない浅い傷に関しては研磨剤(コンパウンド)を駆使した研磨作業で除去できるため、下地処理がメニューにあるコーティング施工店で対応可能です。

対して、『下地が見える傷、爪が引っかかる傷、ぶつけて出来た凹み傷』などは板金塗装での対応となるため、専門業者に対応してもらった後に該当箇所のガラスコーティングの再施工をする事になります。

また、未塗装樹脂パーツやゴム部品の場合は交換対応後に再施工となります。

まとめ

最後までご参照くださりありがとうございました。
下記は当記事でガラスコーティング施工車のコーティング寿命を低下させないためのお手入れとしてのまとめとなります。

・井戸水で車は絶対に洗わない
・鳥フンや虫の死骸、花粉などは放置せず早期に除去する
・ガラスコーティング施工車にカーワックスの上塗りは避ける
・水垢除去剤や研磨剤入りシャンプーは絶対に使用せず、専用のメンテナンス剤を使用する
・カーシャンプーを使った洗車を定期的に行い、残った水滴もしっかりと拭き上げる
・ブラシの種類がはっきりわからない洗車機は避け、汚れが固着している場合は優しく手洗い洗車をする

上記の点に注意し、コーティング被膜を長期間綺麗な状態に保つことで、結果的にガラスコーティング施工車のコーティング寿命を延ばすことに繋がります。

また、コーティングをより長く持続させるためにはコーティングメンテナンスを行うようにすることで長期間綺麗な状態をキープすることが出来るので参考にしてみて下さい。

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。